「事なかれ主義」という言葉には、「事を荒立てて波風が立つことのないよう穏便に取り計らおうとする人」という意味があります。
日常生活でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「事なかれ主義」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「事なかれ主義」の意味は『事を荒立てて波風が立つことのないよう穏便に取り計らおうとする人』
【事なかれ主義の意味】
事を荒立てて波風が立つことのないよう穏便に取り計らおうとする人、とりわけ、そのために問題や面倒から目を背けるような消極的な姿勢をとる人を意味する表現。
引用: Weblio辞書
事なかれ主義の読み方は「ことなかれしゅぎ」です。
語源は、面倒なことが起きないようにせよという意味の「事なかれ」と、基本的な考え方や方針を意味する「主義」が組み合わされた言葉です。
『事なかれ主義』には
- 事を荒立てて波風が立つことのないよう穏便に取り計らおうとする人
- そのために問題や面倒から目を背けるような消極的な姿勢をとる人
などの意味があります。
「事なかれ主義」の正しい使い方を例文で紹介!
「事なかれ主義」は、事を荒立てて波風が立つことのないよう穏便に取り計らおうとする人を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼は事なかれ主義だから、意見をはっきり言わない。
例文②

事なかれ主義では、トラブルは少ないがチームの成長は望めない。
例文③

僕は、事なかれ主義だねとよく言われます。
例文④

彼女は事なかれ主義であることを指摘されていた。
例文⑤

夫は、家でも職場でも、事なかれ主義だ。
【事なかれ主義を使う時の注意点】
「事なかれ主義」は、波風を立てないように行動する姿勢を批判的に表す言葉です。
他人を評価するときに使うと、否定的に聞こえる場合があるため、気をつけましょう。
「事なかれ主義」の類義語・言い換え4選
『事なかれ主義』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 保守派
- 消極的
- 安定思考
- 及び腰
類義語①保守派の意味
社会や政治の変革に慎重な立場を取る人々の集団を指す言葉である。
引用:Weblio辞書

保守派の立場から、変更には反対意見が出た。
類義語②消極的の意味
自分から進んで物事をしないさま。引っ込みがちなさま。また、否定的であるさま。
引用:Weblio辞書

彼は消極的で、自分から意見を言わない。
類義語③安定思考の意味

新しいアイデアよりも安定思考を優先した。
類義語④及び腰の意味
自信がなさそうなようす。遠慮したり恐れたりしているような中途半端な態度。
引用:Weblio辞書

彼は意見を言いたいのに、いつも及び腰だ。

「事なかれ主義」と「事大主義」の違いは?
「事なかれ主義」と「事大主義」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「事なかれ主義」には事を荒立てて波風が立つことのないよう穏便に取り計らおうとする人という意味がありますが、
それに対し「事大主義」には、小さな者が大きな者に従うという意味があります。
「事なかれ主義」は、トラブルや対立を避けるために、行動や決断を控える考え方ですが、「事大主義」は、強い権力者や勢力に従うことで、自分の立場や利益を守ろうとする態度を指します。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「事なかれ主義」は英語で『immobilism』
事なかれ主義は英語の『immobilism』に言い換えることができます。
英語の『immobilism』には
- ことなかれ主義
という意味があります。
「事なかれ主義」の対義語・反対語は『積極的』
事なかれ主義の対義語は、『積極的』になります。
積極的には
- 物事を進んでするさま
などの意味があり、物事を進んでするさまを表す際に用いられます。

積極的な姿勢が評価された。
事を荒立てて波風が立つことのないよう穏便に取り計らおうとする人という意味の「事なかれ主義」に対して、物事を進んでするさまという意味の「積極的」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
