「与する」という言葉には、「仲間に加わる」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「与する」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「与する」の意味は『仲間に加わる』
与するの読み方は「くみする」です。
語源は、一緒にという意味や、賛成するという意味の「与」です。
『与する』には
- 仲間に加わる
- 味方する
- 同意する。
などの意味があります。
「与する」の正しい使い方を例文で紹介!
「与する」は、仲間に加わることや味方することを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

会議で一部の人が反対意見に与した。
例文②

極端な考えに与するのは危険だ。
例文③

彼のプロジェクトに与することにした。
例文④

彼女の意見に与する人が多かったので、その案は可決されるだろう。
例文⑤

彼は敵対勢力に与することにしたらしい。
【与するを使う時の注意点】
「与する」は、どちらかの立場や陣営に加わる意味を持つ言葉で、場合によっては批判的に受け取られることがあるため注意が必要です。
また、「よする」と誤読しやすいため、正しく「くみする」と覚えましょう。
「与する」の類義語・言い換え5選
『与する』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 賛同
- 味方
- 同調
- 支持
- 加担
類義語①賛同の意味
他人の意見や行動に対して同意し、支持することを指す言葉である。
引用:Weblio辞書

私は彼の提案に賛同した。
類義語②味方の意味
対立するものの一方を支持したり、応援したりすること。
引用:Weblio辞書

困ったときは、いつも同期が味方になってくれる。
類義語③同調の意味
他に調子を合わせること。他人の意見・主張などに賛同すること。
引用:Weblio辞書

みんなの意見に同調して発言した。
類義語④支持の意味
ある意見・主張などに賛成して、その後押しをすること。
引用:Weblio辞書

有権者はその候補者を支持した。
類義語⑤加担の意味
力添えをすること。仲間になること。
引用:Weblio辞書

派閥争いに加担するのは避けた方がいい。

「与する」と「組みする」の違いは?
「与する」と「組みする」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「与する」には仲間に加わることや味方することという意味がありますが、
それに対し「組みする」にも、仲間に加わることや味方することという意味があります。
「与する」は、どちらかの立場や意見に加わることを表し、「組みする」は、集団や勢力に加わり、一緒に行動するというニュアンスが強い言葉です。
どちらも「くみする」と読む言葉で、意味もほとんど同じですが、ニュアンスが若干異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「与する」は英語で『to take part in』
与するは英語の『to take part in』に言い換えることができます。
英語の『to take part in』には
- 片棒を担ぐ
という意味があります。
「与する」の対義語・反対語は『敵対』
与するの対義語は、『敵対』になります。
敵対には
- 相手を敵とみなして対抗すること
- 敵としてはむかうこと
などの意味があり、相手を敵とみなして対抗することを表す際に用いられます。

彼女はライバル社に対して敵対心を燃やしている。
仲間に加わることや味方することという意味の「与する」に対して、相手を敵とみなして対抗することという意味の「敵対」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
