「行雲流水」という言葉には、「流れや成り行きに身を任せて自由に生きること」という意味があります。
日常生活ではあまり使われない言葉ですので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「行雲流水」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「行雲流水」の意味は『流れや成り行きに身を任せて自由に生きること』

【行雲流水の意味】
主に「流れや成り行きに身を任せて自由に生きる」ような生き方・在り方、および、そのような自由な人のこと。雲が天を流れるように、水が地を流れるように、流れに逆らわず、滞ることなく、何事かに執着することもなく、ただ流れに身を任せて流れてゆくような在り方。
引用: Weblio辞書
行雲流水の読み方は「こううんりゅうすい」です。
語源は、中国・宋の時代に活躍した文人・蘇軾が記した『謝民師推官与書』の「良い文章とは、空を行く雲や川を流れる水のように、自然のままに筆を進めることが大切だ」という一説だと言われています。
このことから、「行雲流水」は、物事に執着せず、自然の流れに身を任せることを意味するようになりました。
『行雲流水』には
- 「流れや成り行きに身を任せて自由に生きる」ような生き方・在り方
 - 自由な人のこと
 - 雲が天を流れるように、水が地を流れるように、流れに逆らわず、滞ることなく、何事かに執着することもなく、ただ流れに身を任せて流れてゆくような在り方
 
などの意味があります。
「行雲流水」の正しい使い方を例文で紹介!

「行雲流水」は、流れや成り行きに身を任せて自由に生きることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子人生は行雲流水、流れに逆らわず自然体で生きたい。
例文②
B男行雲流水の心で仕事に向き合っている。
例文③
C子出会いも別れも、行雲流水だと考えるようにしている。
例文④
B子祖母はまさに行雲流水の考え方をしていた。
例文⑤
C男行雲流水のような軽やかな文章を書きたい。
【行雲流水を使う時の注意点】
「行雲流水」は、自然の流れに身を任せるように、執着せず柔軟に生きる姿を表す言葉です。
無計画や投げやりではなく、余裕や調和を大切にする前向きな姿勢を示します。
「行雲流水」の類義語・言い換え4選

『行雲流水』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 自然体
 - 無為自然
 - 泰然自若
 - 悠然
 
類義語①自然体の意味
気負いのない、自然な態度。
引用:Weblio辞書
B子彼はいつも自然体で、人前でも飾らない。
類義語②無為自然の意味
作為がなく、自然のままであること。
引用:Weblio辞書
A子無為自然の生き方を心がけています。
類義語③泰然自若の意味
何事にも動じず落ち着いた様子のこと。
引用:Weblio辞書
B男どんなトラブルにも泰然自若に対応できる人になりたい。
類義語④悠然の意味
物事に動ぜず、ゆったりと落ち着いているさま。悠々。
引用:Weblio辞書
B子彼はいつも悠然と構えていて、小さなことで動じない。

「行雲流水」と「天衣無縫」の違いは?

「行雲流水」と「天衣無縫」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「行雲流水」には流れや成り行きに身を任せて自由に生きることという意味がありますが、
それに対し「天衣無縫」には、文章や詩歌が自然なさまや、純真で無邪気なさまという意味があります。
「行雲流水」は、雲や水のように執着せず、自然の流れに身を任せる生き方を意味するのに対して、「天衣無縫」は、作為のない自然な美しさや、純粋で飾らない人柄を表す言葉です。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「行雲流水」は英語で『floating with the tide』

行雲流水は英語の『floating with the tide』に言い換えることができます。
英語の『floating with the tide』には
- 行雲流水
 
という意味があります。
「行雲流水」の対義語・反対語は『執着』

行雲流水の対義語は、『執着』になります。
執着には
- 一つのことに心をとらわれて、そこから離れられないこと
 
などの意味があり、一つのことに心をとらわれて、そこから離れられないことを表す際に用いられます。
B男彼女は、物に執着しない暮らしをしている。
流れや成り行きに身を任せて自由に生きることという意味の「行雲流水」に対して、一つのことに心をとらわれて、そこから離れられないことという意味の「執着」は、反対の意味の言葉として使うことができます。


