「太鼓持ち」という言葉には、「必要以上に他人の賛美や称賛を行う人」という意味があります。
ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「太鼓持ち」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「太鼓持ち」の意味は『必要以上に他人の賛美や称賛を行う人』
【太鼓持ちの意味】
必要以上に他人の賛美や称賛を行う人を指す言葉である。元々は、歌舞伎や浄瑠璃などの舞台で、主役の登場を盛り上げるために太鼓を持って舞台に立つ役割を指していた。現代では、他人の功績を大げさに褒め称え、その人物を引き立てる行為を指すことが多い。
引用: Weblio辞書
太鼓持ちの読み方は「たいこもち」です。
語源は、江戸時代の宴席で、太鼓や小鼓を打ちながら場を盛り上げる「幇間(ほうかん)」を指す言葉として使われていました。
彼らは客の機嫌を取って宴を和ませる役割を担っていたことから、転じて「相手に取り入って機嫌を取る人」という意味で使われるようになりました。
『太鼓持ち』には
- 必要以上に他人の賛美や称賛を行う人
- 歌舞伎や浄瑠璃などの舞台で、主役の登場を盛り上げるために太鼓を持って舞台に立つ役割
などの意味があります。
「太鼓持ち」の正しい使い方を例文で紹介!
「太鼓持ち」は、必要以上に他人の賛美や称賛を行う人を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子あの部長の前では、みんな太鼓持ちしている。
例文②
B男最近は本音で意見する人が少なく、太鼓持ちばかりだ。
例文③
C子同期は太鼓持ちが上手い。
例文④
B子上司に気に入られたい気持ちはわかるけど、あからさまな太鼓持ちはやめた方がいい。
例文⑤
C男本音を言うと、太鼓持ちはやめたい。
【太鼓持ちを使う時の注意点】
「太鼓持ち」は、相手にお世辞ばかり言う人を意味する、ネガティブな表現です。
ビジネスシーンで使うと、相手を軽んじている印象を与えるおそれがあるため、注意しましょう。
「太鼓持ち」の類義語・言い換え4選
『太鼓持ち』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- お世辞
- 機嫌取り
- 取り巻き
- イエスマン
類義語①お世辞の意味
心にもないことを愛想のために言う。
引用:Weblio辞書
B子彼女はお世辞が上手いが仕事はできない。
類義語②機嫌取りの意味
人の気に入るような言動をすること。また、その人。ごきげんとり。
引用:Weblio辞書
A子上司の機嫌取りばかりで疲れます。
類義語③取り巻きの意味
金持ちや権力者につきまとって機嫌をとること。また、その人。
引用:Weblio辞書
B男彼の周りには、いつも同じ取り巻きがいる。
類義語④イエスマンの意味
人の言うことに何でも「はい、はい」と言って、無批判に従う人。
引用:Weblio辞書
B子彼は、イエスマンだからどんな仕事でもやるよ。

「太鼓持ち」と「腰巾着」の違いは?
「太鼓持ち」と「腰巾着」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「太鼓持ち」には必要以上に他人の賛美や称賛を行う人という意味がありますが、
それに対し「腰巾着」には、上司や権力者に常に付き従っている人を嘲っていう表現という意味があります。
「太鼓持ち」は、場を盛り上げたり、機嫌を取ったりする愛想のよさを意味するのに対して、「腰巾着」は、権力者のそばに付き、依存したり媚びたりする意味合いが強いです。
どちらも、立場の強い人に取り入って気に入られようとする人物を指す言葉ですが、ニュアンスが若干異なるため、時と場合に応じて使い分けましょう。
「太鼓持ち」は英語で『Flatterer』
太鼓持ちは英語の『Flatterer』に言い換えることができます。
英語の『Flatterer』には
- おべっか使い
- お世辞を言う人
という意味があります。
「太鼓持ち」の対義語・反対語は『正直者』
太鼓持ちの対義語は、『正直者』になります。
正直者には
- 嘘をついたり偽ったりしない、正直な性格の者
などの意味があり、嘘をついたり偽ったりしない、正直な性格の者を表す際に用いられます。
B男彼女は正直ものだから信頼できます。
必要以上に他人の賛美や称賛を行う人という意味の「太鼓持ち」に対して、嘘をついたり偽ったりしない、正直な性格の者という意味の「正直者」は、反対の意味の言葉として使うことができます。


