「擦る」という言葉には、「物を他の物に強く押し当てたままで動かすこと」という意味があります。
日常的によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「擦る」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
擦るの意味は『物を他の物に強く押し当てたままで動かすこと』
擦るの読み方は「こする・する」です。
語源は、物をこすって動かす・押しつけて滑らせる意味の古語「摺る(する)」から来ており、
『擦る』には
- 物を他の物に強く押し当てたままで動かすこと
- 軽く触れながら動かすこと
- 物や気持ちなどをなじませる・調和させる
などの意味があります。
「擦る」の正しい使い方を例文で紹介!
「擦る」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文① 物を他の物に強く当てて動かす・摩擦する意味で使う時
日常的に物を他の物に強く当てて動かす・摩擦する意味で使う時に使われます。
【例文①】
B男昨日は休みだったので、床を雑巾で擦ってピカピカにしました。
【例文②】
B子今日は寒くて手を擦り合わせて温めています。
例文②表面を摩擦して何かを取り除いたり、つけたりする時
表面を摩擦して何かを取り除いたり、つけたりする時に使われます。
【例文①】
B男彼は会社で靴の汚れを擦り落とすようなしぐさをしていました。
【例文②】
B子手が乾燥して荒れてしまい、毎日保湿クリームを擦り込んでいます。
例文③比喩的に調整・一致の意味やご機嫌取り・へつらいの意味で使う時
比喩的な表現で、調整・一致の意味やご機嫌取り・へつらいの意味で使う時に使われます。
【例文①】
B男新プロジェクトでは、各部署と意見を擦り合わせる必要があります。
【例文②】
B子上司に擦り寄る後輩はみんなに白い目で見られています。
【擦るを使う時の注意点】
「擦る」はこする・するの読み方があり、具体的な動作(摩擦)では「こする」慣用的・比喩的な表現では「する」が使われます。
例文③の比喩的な表現では「媚びる」意味にもなるので使う際は相手・文脈に注意するようにしましょう。
「擦る」の類義語・言い換え5選
『擦る』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 削る
- 摩る
- 撫でる
- 歩み寄る
- 媚びる
類義語①削るの意味
- 刃物で物の表面を薄く切り取る。そぐ。
- 一部分を取り除いて全体の量を減らす。削減する。
- 全体からその部分を取り除く。削除する。
- 《大工仲間の語から。「板をけずる」の略という》酒を飲む。
引用:コトバンク
B子無心で爪をやすりで削る作業が好きです。
類義語②摩るの意味
A子おばあちゃんの冷えてしまった足を摩ってあげたいと思います。
類義語③撫でるの意味
B男愛犬はお腹を撫でるとすごく喜びます。
類義語④歩み寄るの意味
- 歩いていって近寄る。また、互いに近く寄る。
- 意見や主張の違う双方が、条件などを譲り合う。折れ合う。
引用:コトバンク
B子お互いに歩み寄ることで、素晴らしい結果になると思う。
類義語⑤媚びるの意味
C男彼は上司に媚びるのがうまいから、すぐに昇進したらしい。

「擦る」と「削る」の違いは?
「擦る」と「削る」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「擦る」には物を他の物に強く押し当てたままで動かすことという意味がありますが、
それに対し「削る」には、表面をそぎ取って量や形を減らすことという意味があります。
どちらも似ていますが、「擦る」は表面をこすって摩擦を起こすこと・こすり合わせることを指します。
一方で、「削る」は表面をそぎ取って量や形を減らすこと・削ぎ落とすことを指しています。
「擦る」は英語で『rub』
擦るは英語の『rub』に言い換えることができます。
rubの意味
手などでこする、摩擦する、(…を)こすり合わせる、(…で)こする、こすって磨く、こすって(…に)する、こすって(…に)(…を)作る、こする、こすりつける、(…に)こすりつける
英語の『rub』には
- 手などでこする・摩擦する・(…を)こすり合わせる・(…で)こする
- こすって磨く・こすって(…に)する・こすって(…に)(…を)作る・こする・こすりつける・(…に)こすりつける
という意味があります。
「擦る」の対義語・反対語はありません
擦るの対義語は、ありません。


