「釘をさす」という言葉には、「あらかじめ念を押す」という意味があります。
日常生活やビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「釘をさす」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「釘をさす」の意味は『あらかじめ念を押す』

釘をさすの読み方は「くぎをさす」です。
語源は、江戸時代の木造建築に由来しています。
当時は木材同士を組んで建物を作っていましたが、特に重要な部分には動かないように釘を打って固定していました。
この「しっかり留めて動きを封じる」ということから、あとで誤解や行き違いが起きないように念を押す意味で「釘をさす」という慣用句が使われるようになりました。
『釘をさす』には
- あらかじめ念を押す
- 言い訳などを後で言えない様に注意する
などの意味があります。
「釘をさす」の正しい使い方を例文で紹介!

「釘をさす」は、あらかじめ念を押すことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子トラブル防止のため、担当者にもう一度注意点について釘をさして伝えました。
例文②
B男この案件、早めに締切を守るよう釘をさした方が良さそうです。
例文③
C子進捗が遅れていたので、優先順位を上げるよう釘をさしました。
例文④
B子打ち合わせ前に、必ず資料を読むよう釘をさしておきました。
例文⑤
C男ミスが続いたので、今回こそ気をつけるよう軽く釘をさしておきます。
【釘をさすを使う時の注意点】
「釘をさす」は念押しのニュアンスが強いため、特にビジネスシーンでは相手によっては上から目線に聞こえることがあります。
また、誤解やミスを防ぎたいときの再確認として使うのが自然ですので、気をつけて使用しましょう。
「釘をさす」の類義語・言い換え4選

『釘をさす』の類義語や言い換えの言葉は4あります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 念を押す
- 注意
- 言い含める
- 警告
類義語①念を押すの意味
重ねて注意する。また、注意して確かめる。
引用:Weblio辞書
B子明日の会議は必ず参加してほしいと、念を押しておいた。
類義語②注意の意味
気をつけるように傍らから言うこと。忠告。
引用:Weblio辞書
B男この機械を扱うときは、必ず手袋をつけるよう注意してください。
類義語③言い含めるの意味
あらかじめ言って承知させる。
引用:Weblio辞書
B子旅行前に、危ない場所には近づかないよう言い含められた。
類義語④警告の意味
よくない事態が生じそうなので気をつけるよう、告げ知らせること。
引用:Weblio辞書
C男スピード違反で警察から厳重な警告を受けた。

「釘をさす」と「釘をうつ」の違いは?

「釘をさす」と「釘をうつ」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「釘をさす」にはあらかじめ念を押すという意味がありますが、
それに対し「釘をうつ」にも、あらかじめ念を押すという意味があります。
どちらも同じ意味で使われる言葉ですが、一般的には「釘をさす」という表現が広く使われています。
「釘をさす」は英語で『to give a warning』

釘をさすは英語の『to give a warning』に言い換えることができます。
英語の『to give a warning』には
- 釘を刺す
という意味があります。
「釘をさす」の対義語・反対語は『放任』

釘をさすの対義語は、『放任』になります。
放任には
- 干渉しないで、したいようにさせること
などの意味があり、干渉しないで、したいようにさせることを表す際に用いられます。
B男上司が部下を放任しているせいで、チーム全体の方向性がぶれている。
あらかじめ念を押すという意味の「釘をさす」に対して、干渉しないで、したいようにさせることという意味の「放任」は、反対の意味の言葉として使うことができます。


