「長いものには巻かれろ」という言葉には、「自分より力の強いものや上位の者には、とりあえず従っておくのが得策である」という意味があります。
ビジネスシーンや日常会話でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「長いものには巻かれろ」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
長いものには巻かれろの意味は『自分より力の強いものや上位の者には、とりあえず従っておくのが得策である』
長いものには巻かれろの読み方は「ながいものにはまかれろ」です。
語源は中国の古い物語で、象の長い鼻に巻かれた猟師が抵抗せずに、その姿勢のままで、襲い掛かってきた獅子を弓矢で退治したことに由来しています。
現在では、長いものとは「自分よりも勢力・権力がある人」ということを指すようになりました。
『長いものには巻かれろ』には
- 自分より力の強いものや上位の者には、とりあえず従っておくのが無難で得策であるというたとえ
などの意味があります。
「長いものには巻かれろ」の正しい使い方を例文で紹介!
「長いものには巻かれろ」は、ビジネスシーンや日常会話で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子強豪校の部活では、1年生のうちは長いものには巻かれろの精神で過ごした方がいい。
例文②
B男長いものには巻かれろというし、上司の言うことには従っておいた方が平和に過ごせる。
例文③
C子上司には逆らわない先輩がどんどん昇進していくのを見ると、長い物には巻かれろという言葉は正しいと思わされる。
例文④
B子前の会社で先輩に逆らって居心地の悪い思いをしたので、転職先では長いものに巻かれようと思います。
例文⑤
C男長いものに巻かれていれば安定した会社員生活を送れるかもしれないが、私は自分のアイディアを貫きたい。
【長いものに巻かれろを使う時の注意点】
組織の中でトラブルを避けたり、成功するための信条として唱えられる言葉ではありますが、強いものに媚びへつらうような印象を与える場合もあるので、他人に使う際は特に注意が必要です。

「長いものに巻かれろ」の類義語・言い換え3選
『長いものに巻かれろ』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 泣く子と地頭には勝てぬ
- 寄らば大樹の陰
- 付和雷同
類義語①泣く子と地頭には勝てぬの意味
(泣く子が聞きわけのないことと、地頭が横暴であったところから)どんなに道理で争ってみても勝ちめのないことをたとえていう。
引用:コトバンク
B子取引先から理不尽なクレームを受けたが、泣く子と地頭には勝てぬと言うし、謝るしかなかった。
類義語②寄らば大樹の陰の意味
同じ頼るなら、力のあるしっかりした人にたよるべきだということ。立ち寄らば大木の陰。
引用:コトバンク
A子寄らば大樹の陰というし、出世頭の先輩と仲良くなっておこう。
類義語③付和雷同の意味
一定の主義、主張をもたないで、やたらに他の説にわけもなく賛成すること。
引用:コトバンク
B男多数派に付和雷同する人間は多い。
「長いものに巻かれろ」は英語で『better bend than break』
長いものに巻かれろは英語の『better bend than break』に言い換えることができます。
英語の『better bend than break』には
- 長いものには巻かれろ
という意味があります。
「長いものには巻かれろ」の対義語・反対語は『蟷螂(とうろう)の斧』
長いものには巻かれろの対義語は、『蟷螂(とうろう)の斧』になります。
蟷螂(とうろう)の斧には
- 弱小のものが、自分の力量もわきまえず、強敵に向かうことのたとえ
などの意味があり、力の弱い者が強者に立ち向かうことを表すときに用いられます。
B男部長の決定に逆らうとは、蟷螂の斧を振るうようなものだ。
「長いものには巻かれろ」は自分より力の強いものや上位の者には、とりあえず従っておくのが無難で得策であるという意味で使われ、「蟷螂の斧」は弱小のものが、自分の力量もわきまえず、強敵に向かうことという意味で使われます。


