「圧巻」という言葉には、「全体の中で、最もすぐれた部分」という意味があります。
群を抜いて優れていることを表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「圧巻」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「圧巻」の意味は『全体の中で、最もすぐれた部分』
圧巻の読み方は「あっかん」です。
語源は、中国の『科挙』と呼ばれる官吏登用試験において、特に優れた答案を最後に巻物の上に置いたことから来ており、
- 「圧」はおさえつける
- 「巻」は昔の中国の官吏登用試験の答案
の2つが合わさってできた言葉です。
『圧巻』には
- 書物の中で最もすぐれた詩文
- 作中最もすぐれた部分
- 全体の中で、最もすぐれた部分
などの意味があります。
「圧巻」の正しい使い方を例文で紹介!
「圧巻」は、群を抜いて優れていることを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子自信が俳優としても活躍する彼が手掛けたアクションシーンは、圧巻の出来栄えだった。
例文②
B男ブロードウェイの舞台を初めてみたが、圧巻のパフォーマンスだった。
例文③
C子今年引退を発表した選手が、最後に圧巻の演技を見せ、観客を沸き立たせた。
例文④
B子苦労して上った山頂から見た日の出は、圧巻の景色でした。
例文⑤
C男話題作の映画を観たが、主演俳優の圧巻の演技が素晴らしかった。
【圧巻を使う時の注意点】
意味を混同してまれに「圧感」と表記されることがありますが、誤った表記なので注意しましょう。
「圧巻」の類義語・言い換え5選
『圧巻』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 傑出
- 壮観
- 出色
- 佳境
- 山場
類義語①傑出の意味
多くのものの中でずばぬけてすぐれていること。
引用:コトバンク
B子彼女の作品は、数ある候補の中でも傑出していました。
類義語②壮観の意味
規模が大きくてすばらしい眺め。また、そのさま。
引用:コトバンク
A子有名な展望台から見た夜景は、まさに壮観でした。
類義語③出色の意味
他より目立ってすぐれていること。
引用:コトバンク
B男彼が書いた論文は、その分野の中で出色の出来でした。
類義語④佳境の意味
- 興味を感じさせる場面。
- 景色のよい所。
引用:コトバンク
B男物語が佳境に入り、観客の集中力がグッと増したのを感じた。
類義語⑤山場の意味
最も盛り上がった重要な場面。クライマックス。やま。
引用:コトバンク
B男明日がこのプロジェクトの山場と言っても過言ではない。

「圧巻」と「圧倒」の違いは?
「圧巻」と「圧倒」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「圧巻」には全体の中で、最もすぐれた部分という意味がありますが、
それに対し「圧倒」には、きわだってすぐれた力をもっていることという意味があります。
どちらもすぐれたものを表すときに使われる言葉ですが、「圧巻」は作品や自分のパフォーマンスなど、何かの中で最も優れている部分という意味合いで使われるのに対し、「圧倒」は他者よりもすぐれ、相手を押さえつけるほどの力があることを表します。
「圧巻」は英語で『highlight』
圧巻は英語の『highlight』に言い換えることができます。
英語の『highlight』には
- (歴史・話の)光彩のある場面
- ハイライト
という意味があります。
「圧巻」の対義語・反対語は『伯仲』
圧巻の対義語は、『伯仲』になります。
伯仲には
- 力がつりあっていて優劣のつけがたいこと。
などの意味があり、力がほぼ同じであることを表すときに用いられます。
B男この試合は両チームの実力が伯仲していて、見ごたえがある。
「圧巻」は全体の中で、最もすぐれた部分という意味で使われ、「伯仲」は力がつりあっていて優劣のつけがたいことという意味で使われます。


