「机上の空論」という言葉には、「頭の中だけで考え出した、実際には役に立たない理論や考え」という意味があります。
ビジネスシーンや日常会話でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「机上の空論」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
机上の空論の意味は『頭の中だけで考え出した、実際には役に立たない理論や考え』
机上の空論の読み方は「きじょうのくうろん」です。
語源は、江戸時代に「机上」という言葉を、学問や書物に関連することという意味で使っていたことに由来します。
学問や書物に依拠した理論が、現実の問題解決には至らないということから、現在の意味で使われるようになりました。
『机上の空論』には
- 頭の中だけで考え出した、実際には役に立たない理論や考え
などの意味があります。
「机上の空論」の正しい使い方を例文で紹介!
「机上の空論」は、ビジネスシーンや日常会話で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子本部からの指示はいつも机上の空論で、現場のことを分かっていない。
例文②
B男彼が提出する企画書はいつも机上の空論で、実現が難しいものばかりだ。
例文③
C子机上の空論と言われないように、検証を重ね、裏付けするデータも揃えよう。
例文④
B子いくら素人が議論したところで、机上の空論に過ぎない。
例文⑤
C男今はまだ机上の空論だが、実現したら世の中はもっと便利になるだろう。
【机上の空論を使う時の注意点】
「砂上の楼閣」と混同して、「砂上の空論」と言うことがありますが、誤用ですので注意しましょう。
「机上の空論」の類義語・言い換え5選
『机上の空論』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 砂上の楼閣
- 空理空論
- 畳水練
- 取ぬ狸の皮算用
- 素引きの精兵
類義語①砂上の楼閣の意味
見かけはりっぱであるが、基礎がしっかりしていないために長く維持できない物事のたとえ。また、実現不可能なことのたとえ。
引用:コトバンク
B子友人の起業プランを聞かせてもらったが、まるで砂上の楼閣だった。
類義語②空理空論の意味
現実とかけ離れた、実際の役に立たない理論。
引用:コトバンク
A子このアイディアを空理空論で終わらせないためにも、検証を重ねよう。
類義語③畳水練の意味
《畳の上で行う水泳の訓練の意》理屈ばかりで実地の訓練が欠けているため、実際には役に立たないこと。畳の上の水練。畑水練。
引用:コトバンク
B男新人研修が手厚いのはありがたいが、畳水練で終わらないように、現場で経験を積むことが大切だ。
類義語④取ぬ狸の皮算用の意味
(まだ捕えないうちから、狸の皮を売ることを考えるの意から)不確実な事柄に期待をかけて、それをもとに計画をたてることのたとえ。
引用:コトバンク
B子宝くじが当たったときのことを考えて旅行の計画を立てているけど、それは取ぬ狸の皮算用というものだよ。
類義語⑤素引きの精兵の意味
《素引きをする姿だけはりっぱにみえるところから》理論には強いが、実戦には役に立たない者。
引用:コトバンク
A子素引きの精兵とならないように、積極的に経験を積むことが大切です。

「机上の空論」と「絵に描いた餅」の違いは?
「机上の空論」と「絵に描いた餅」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「机上の空論」には頭の中だけで考え出した、実際には役に立たない理論や考えという意味がありますが、
それに対し「絵に描いた餅」には、実物・本物でなければ何の値打ちもないことという意味があります。
どちらも似たような意味合いの言葉ですが、「机上の空論」は形のない理論や考えといったものに使われるのに対し、「絵に描いた餅」は形あるものに対しても使うことができます。
「机上の空論」は英語で『deep think』
机上の空論は英語の『deep think』に言い換えることができます。
英語の『deep think』には
- 机上の空論
という意味があります。
「机上の空論」の対義語・反対語は『案ずるより産むが易し』
机上の空論の対義語は、『案ずるより産むが易し』になります。
案ずるより産むが易しには
- 物事はあれこれ心配するより実行してみれば案外たやすいものだ
などの意味があり、考えるよりも実行するとうまくいくという意味で用いられます。
B男案ずるより産むが易しと言うし、まずはやってみよう。
「机上の空論」は頭の中だけで考え出した、実際には役に立たない理論や考えという意味で使われ、「案ずるより産むが易し」は物事はあれこれ心配するより実行してみれば案外たやすいものという意味で使われます。


