「座礁」という言葉には、「船舶が暗礁や浅瀬にのりあげること」という意味があります。
ビジネスシーンでは障害のために物事の進行が止まってしまうことという意味でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「座礁」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
座礁の意味は『船舶が暗礁や浅瀬にのりあげること』
座礁の読み方は「ざしょう」です。
語源はすわるという意味の「座」と浅い海底の隆起部を意味する「礁」から来ており、
- 「座」はすわる
- 「礁」は浅い海底の隆起部
の2つが合わさってできた言葉です。
『座礁』には
- 船舶が暗礁や浅瀬にのりあげること
- 障害のために物事の進行が止まってしまうこと
などの意味があります。
座礁の正しい使い方を例文で紹介!
「座礁」は、海難事故のほか障害のために物事の進行が止まってしまった時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
座礁事故は視界不良など様々な要因で起こる。
例文②
座礁したクジラの死体は腐敗により体内にガスが溜まり、破裂することがある。
例文③
新規プロジェクトは予算の問題で座礁している。
例文④
D社との話し合いは座礁してしまった。
例文⑤
あの計画は座礁しそうだ。
座礁の類義語・言い換え5選
『座礁』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 暗礁に乗り上げる
- 頓挫
- 中止
- 失敗
- 打ち切り
類義語①暗礁に乗り上げるの意味
思わぬ障害が出てきて物事の進行が阻まれる。
引用:goo辞書
A国との交渉は暗礁に乗り上げた。
類義語②頓挫の意味
1.勢いがにわかに弱ること。力が急にくじけること。また、事業、研究などが急に行きづまり、だめになること。
2.文章、議論、演説などで、高まりを見せた後、急に調子を落とし変化させること。
引用:コトバンク
新しい仕事の計画が頓挫した。
類義語③中止の意味
中途でやめること。また、計画を取りやめにすること。
引用:Weblio辞書
今年の小学校の運動会は雨で中止になった。
類義語④失敗の意味
物事をやりそこなうこと。方法や目的を誤って良い結果が得られないこと。しくじること。
引用:goo辞書
私は肝心なところでいつも失敗してしまう。
類義語⑤打ち切りの意味
あの番組は出演者の不祥事で打ち切りになった。
座礁と沈没の違いは?
「座礁」と「沈没」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「座礁」には船舶が暗礁や浅瀬にのりあげることという意味がありますが、それに対し「沈没」には船などが水中に沈むことという意味があります。
どちらも海難事故に関係する言葉ですが、「座礁」と「沈没」では船が沈んでいるかどうかが大きな違いです。
「沈没」を避けるためにわざと船を「座礁」させることもあります。
座礁は英語で『grounding』
座礁は英語の『grounding』に言い換えることができます。
groundingの意味
- 基礎訓練[知識]
- 《電気》接地
- 下塗り
- 〔船の〕座礁
- 飛行[運転]禁止◆悪天候など状況から判断して出発を禁ずること。
- 〈米俗〉〔悪い事をした子どもに対する懲罰としての〕外出禁止、自宅謹慎
引用:英辞郎
英語の『grounding』には
- 基礎訓練
- 座礁
という意味があります。
座礁の対義語・反対語は『離礁』
座礁の対義語は、『離礁』になります。
離礁には
- 船がのりあげた暗礁から離れること
などの意味があり、暗礁や浅瀬に乗り上げてしまった船が再び海に浮かぶことの意味で用いられます。
船が暗礁に乗り上げることを「座礁」、暗礁から離れることを「離礁」と言います。
「離礁」はビジネスシーンでは特に使われません。