「配膳」という言葉には、「料理や飲み物を客前に配ること」という意味があります。
学校給食やレストラン、宴会場などでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「配膳」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
配膳の意味は『料理や飲み物を客前に配ること』
配膳の読み方は「はいぜん」です。
語源は平安時代の貴族へ提供する食事を盛り付けた器や、それを乗せる台のことを膳と呼んだということから来ており、
- 「配」は割り当てる。くばる。
- 「膳」は料理を載せる器や台。茶碗に盛った飯や一対の箸を数える助数詞。
の2つが合わさってできた言葉です。
『配膳』には
- 食膳を客の前に配ること。
- 箸や器を食卓に出すこと。
などの意味があります。
配膳の正しい使い方を例文で紹介!
「配膳」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①「配膳係」の使い方
配膳係は、配膳の業務に係る人物に使われます。
学校給食やレストランなどで使われます。
【例文①】
配膳係のアルバイトに応募しよう。
【例文②】
今の時代はロボットも配膳係を任されるんだね。
例文②「配膳室」の使い方
配膳室は、食事の準備や料理の盛り付けをするための部屋という意味で使われます。
作業部屋を使い分けている場合に使われます。
【例文①】
配膳室からの指示に従ってください。
【例文②】
配膳室に入る前に手をしっかり洗いましょう。
例文③「配膳車」の使い方
配膳車は、出来上がった食事を運搬するための車両や台車という意味で使われます。
学校給食や医療機関などで使われます。
【例文①】
給食センターから配膳車がもうすぐ到着します。
【例文②】
配膳車からコンテナを下ろす。
【配膳を使う時の注意点】
配膳は、料理だけでなく食器や箸など食事をするための準備を含めた表現です。
配膳の類義語・言い換え5選
『配膳』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 上げ膳
- 食膳
- 客膳
- 薬膳
- 給仕
類義語①上げ膳の意味
自分では何もせずに座ったままで、食事の膳を出してもらうこと。また、そのような恵まれた境遇。「―据え膳」
引用:goo辞書
我が家の父は上げ膳据え膳なのよ。
類義語②食膳の意味
〘名〙 食事をする時、食器や食物を載せる台。食物を載せる膳。また、膳に載せて出す食物。膳部。
引用:コトバンク
皆様が食膳に揃ったところで会食を始めましょう。
類義語③客膳の意味
客に出す食事。また、その膳。
引用:goo辞書
いつか割烹で格式高い客膳料理を食べてみたいな。
類義語④薬膳の意味
漢方薬の材料を使った中国料理。健康保持のための食事として、中国の医食同源(薬食同源)の考えから生まれたもの。
引用:goo辞書
健康のため薬膳料理を勉強しています。
類義語⑤給仕の意味
- 食事の席にいて世話をすること。また、その人。「家族の夕飯を―する」
- もと、官庁や会社などで、雑用をした人。
引用:goo辞書
このレストランの給仕人はテキパキ働くなぁ。
配膳と盛り付けの違いは?
「配膳」と「盛り付け」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「配膳」には食事のための器や料理を客前に出すという意味がありますが、
それに対し「盛り付け」には料理を器に美しく見栄えがするように盛るという意味があります。
どちらも料理を提供するという言葉ではありますが、配膳には料理を提供する行為そのもの、盛り付けとは客前に提供する料理を見栄えがするように器に乗せ視覚を刺激することで食欲をそそり、食事を楽しんでもらうための行為という意味があります。
配膳は英語で『serve』
配膳は英語の『serve』に言い換えることができます。
英語の『serve』には
- 給仕する。
- 料理を提供する。
- 〜に役立つ、待遇する。
という意味があります。
配膳の対義語・反対語は『下膳』
配膳の対義語は、『下膳』になります。
下膳には
- 食後の食器などを片付ける。
という意味があり、学校給食や飲食店等で食べ終わった料理の器などを片付ける際に用いられます。
配膳は「上げ膳」と言い換えることができ、料理や器など食事の用意をすることを言いますが、反対に食後の空いた器などを下げて片付けることを対義語で「下膳」と言います。