「後の祭り」という言葉には、「時機遅れでむだなこと」という意味があります。
手遅れであることを表現するときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「後の祭り」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
後の祭りの意味は『時機遅れでむだなこと』
後の祭りの読み方は「あとのまつり」です。
語源や由来にはいくつかの説があります。
ひとつは、お祭りが終わった後の山車(だし)は役に立たず、無駄になることを由来とする説です。
もうひとつは、京都・八坂神社の祇園祭が由来だとする説です。
祇園祭では、7月17日の山鉾巡行を「前の祭り」、24日の還幸祭を「後の祭り」と呼んでいました。
「後の祭り」では、山鉾が出ず、賑やかさがなくなるので、見に行ってもつまらないと言われていたことから、時機遅れでむだなことという意味で使われるようになったと言われています。
他にも、祭りが終わった翌日に見に行っても意味がないという説や、亡くなった後に盛大な葬儀(祭り)をしても意味がないという説があります。
『後の祭り』には
- 祭りのすんだ翌日
- 祭りのあとの山車(だし)のように、時機遅れで、むだなこと
などの意味があります。
「後の祭り」の正しい使い方を例文で紹介!
「後の祭り」は、手遅れであることを表現するときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

テーマパークに到着してから、事前に入場予約が必要なことに気付いたが、後の祭りだった。
例文②

試験の申込日を過ぎてしまい、慌てて連絡しましたが、後の祭りでした。
例文③

欲しかったグッズを諦めて、その後売り切れになって買わなかったことを後悔しても後の祭りだよ。
例文④

テストが終わったときに後の祭りにならないように、試験勉強は計画的に進めておこう。
例文⑤

今更指摘しても後の祭りかもしれないかもしれないが、今後のためにアドバイスを送る。
【後の祭りを使う時の注意点】
人に対して使う場合は、相手にネガティブな印象を与えることもあるので、使い方に注意しましょう。
「後の祭り」の類義語・言い換え4選
『後の祭り』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 覆水盆に返らず
- 後悔先に立たず
- 六日の菖蒲
- 証文の出し遅れ
類義語①覆水盆に返らずの意味
- 一度別れた夫婦の仲はもとどおりにならないことのたとえ。
- 一度したことは、もはや取り返しがつかないことのたとえ。
引用:Weblio辞書

大事な写真のデータを削除してしまったが、覆水盆に返らずだ。
類義語②後悔先に立たずの意味
してしまったことは、あとになってくやんでも取り返しがつかない。
引用:Weblio辞書

セールで衝動買いした服のサイズを間違えていたが、後悔先に立たずだ。
類義語③六日の菖蒲の意味
《5月5日の節句の翌日の菖蒲の意から》時機に後れて役に立たない物事のたとえ。のちのあやめ。むいかのしょうぶ。
引用:Weblio辞書

イベントの開始時間を間違えてしまって、今から向かっても六日の菖蒲です。
類義語④証文の出し遅れの意味
事の処置が間に合わないで、時機をのがしたために効力を失うことのたとえ。
引用:コトバンク

取引先に契約解除を通達された後に慌てて謝罪に行っても、証文の出し遅れだと思います。

「後の祭り」と「手遅れ」の違いは?
「後の祭り」と「手遅れ」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「後の祭り」には時機遅れでむだなことという意味がありますが、
それに対し「手遅れ」には、遅れたために効がないことという意味があります。
どちらも時機を逃してむだであることを意味する言葉です。
「手遅れ」は手当や処置の時期を逃すことを表す意味もありますが、「後の祭り」はあまりそのような意味では使われません。
「後の祭り」は英語で『a day after the fair』
後の祭りは英語の『a day after the fair』に言い換えることができます。
英語の『a day after the fair』には
- 後の祭り
という意味があります。
「後の祭り」の対義語・反対語は『転ばぬ先の杖』
後の祭りの対義語は、『転ばぬ先の杖』になります。
転ばぬ先の杖には
- 前もって用心していれば、失敗することがない
などの意味があり、失敗しないように準備をすることを表現するときに用いられます。

雨の予報がない日でも、転ばぬ先の杖のとして折り畳み傘を持ち歩いています。
「後の祭り」は時機遅れでむだなことという意味で使われ、「転ばぬ先の杖」は前もって用心していれば、失敗することがないという意味で使われます。
