「知己」という言葉には、「自分のことをよく理解してくれている人」という意味があります。
スピーチなどのややかしこまった場面でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「知己」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「知己」の意味は『自分のことをよく理解してくれている人』

知己の読み方は「ちき」です。
語源は古代中国の歴史書『史記』の「士は己を知る者の為に死す」から来ており、
- 「知」はしる・さとる・しりあい
- 「己」はおのれ・自分
の2つが合わさってできた言葉です。
『知己』には
- 自分のことをよく理解してくれている人・親友
- 知り合い・知人
などの意味があります。
「知己」の正しい使い方を例文で紹介!

「知己」は、自分のことをよく理解してくれている人・親友を表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼女は私にとって10年来の知己です。
例文②

彼女とは仕事で話をするうちに意気投合し、まるで20年来の知己のような存在になりました。
例文③

高校の寮生活でかけがえのない知己を得ることができました。
例文④

知己を得るためには、自分から心を開くべきとアドバイスしました。
【知己を使う時の注意点】
「知己」は自分のことをよく理解してくれている人・親友という意味で、単なる知人ではなく、それなりに自分の人となりや気持ち・考え方などを理解してくれているというニュアンスで使われます。
例文③・④のように「知己を得る」と表現し、「親友ができる」という意味で使われることが一般的です。
「知己」の類義語・言い換え4選

『知己』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 親友
- 相識
- 知人
- 知音
類義語①親友の意味
互いに心を許し合っている友。特に親しい友。
引用:goo辞書

彼は幼馴染であり、かけがえのない親友です。
類義語②相識の意味

彼らは言い合いになったとしても相識の間柄なので心配ない。
類義語③知人の意味
互いに知っている人。知り合い。
引用:goo辞書

これから知人の家を訪ねる予定があります。
類義語④知音の意味

東京に知音がいるので頼ることにしました。

「知己」と「親友」の違いは?

「知己」と「親友」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「知己」には自分のことをよく理解してくれている人という意味がありますが、
それに対し「親友」には、互いに心を許し合っている友・特に親しい友という意味があります。
「知己」は親友という意味の他に、知り合い・知人という意味もあります。
一方で「親友」は、友人の中でも特に親しい関係を意味しています。
「知己」は英語で『acquaintance』

知己は英語の『acquaintance』に言い換えることができます。
英語の『acquaintance』には
- 知人・知り合い・知己・知人たち
- 知っていること・面識・なじみ・知識
という意味があります。
「知己」の対義語・反対語は『他人』

知己の対義語は、『他人』になります。
他人には
- 自分以外の人・ほかの人
- 血のつながりのない人・親族でない人
- その事柄に関係のない人・第三者
などの意味があり、自分以外の人・血のつながりのない人・その事柄に関係のない人を表すときに用いられます。

このことに他人を巻き込む気はありません。
「知己」は自分のことをよく理解してくれている人を指し、「他人」は自分以外の人・血のつながりのない人・その事柄に関係のない人を指しています。
