「加味」という言葉には、「特定のあるものにほかの要素を付け加える」という意味があります。
教育現場やビジネスシーンなどでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「加味」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「加味」の意味は『付け加えること』
加味の読み方は「かみ」です。
語源は薬に他の薬を加えて調合するという由来から来ており、
- 「加」は加える、増やす、多くなる、足し算
- 「味」は味わい、内容、中身、なかま
の2つが合わさってできた言葉です。
『加味』には
- 味を付け加えること
- あるものに別の要素を付け加えること
という意味があります。
「加味」の正しい使い方を例文で紹介!
「加味」は、物事を判断するときや選択するときになにかを付け足すことでその判断や選択が強化される場合に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
新しいプロジェクトを始動する前に、予算を加味する必要があります。
例文②
テストの点数以外でも、日頃の授業態度を成績に加味しています。
例文③
お客様からの要望を加味した上で、商品計画を進めさせて頂きます。
例文④
今後の方針を検討する際には、過去の経験を加味することが重要です。
例文⑤
仕事のスケジュールを調整するために、通勤時間を加味する必要があります。
「加味」の類義語・言い換え5選
『加味』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 顧慮
- 考量
- 勘案
- 計算に入れる
- 視野に入れる
類義語① 顧慮の意味
[名](スル)ある事をしっかり考えに入れて、心をくばること。「相手の立場を―する」
引用:goo辞書
体調の悪い同僚を顧慮し、仕事を代わりに引き受けた。
類義語② 考量の意味
[名](スル)物事をあれこれ考え合わせて判断すること。「利害を慎重に―する」
引用:goo辞書
本人の希望を考量した上で、異動先を決定する。
類義語③ 勘案の意味
[名](スル)あれこれと考え合わせること。勘考。「諸般の情勢を―する」
引用:goo辞書
各所の売上実績や現状の販売報告を勘案し、次年度の予算を決める。
類義語④ 踏まえるの意味
前回の反省を踏まえて、作業に取り組む。
類義語⑤ 視野に入れるの意味
物事を考えたり判断したりする際に、可能性や選択肢などの要素をさらに増やす。「来年の大会出場も―・れる」「男性だけでなく、女性の利用も―・れる」
引用:goo辞書
新しいプロジェクトの始動も視野に入れておく。
「加味」と「考慮」の違いは?
「加味」と「考慮」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「加味」には、物事に対してある特定の要素を付け足すという意味がありますが、
それに対し「考慮」には、物事に対して色々な要素を加えて考えるという意味があります。
「ある物事について考える」という点においては「加味」と「考慮」に意味の違いはありませんが、
「加味」は「限定されたものを付け加えること」に対し、「考慮」は「さまざまな要素を加えて考えること」を表しています。
「加味」は英語で『adding』
加味は英語の『adding』に言い換えることができます。
英語の『adding』には
- ~を追加する
- (他のものに)加える
という意味があります。
「加味」の対義語・反対語はありません
加味の対義語は、ありません。