『アドホック』はビジネスシーンでよく使われるカタカナ語で、『暫定的な』『その場限りの』という意味があります。
初めて『アドホック』と聞いた時は難しいと感じたり、日本語で言ってよ！と思ったこともあるのではないでしょうか。
しかしビジネス用語の意味を知り、使い方を覚えていくことで、コミュニケーション能力や文書の読解力が向上していくでしょう。
この記事では『アドホック』の意味や、ビジネスシーンでの使い方や例文などを分かりやすく紹介します。
アドホックの意味は3パターン
【アドホックの意味】
１ 特定の目的のために委員会などが設置されること。「—委員会」
２ 若者好みの専門店やレストランを1か所に集めた総合店舗。
３ 「アドホックモード」の略。
引用：Weblio辞書
アドホックの意味①『暫定的な』『臨時の』
『アドホック』には
- 特別の
- 暫定的な
- 臨時の
などの意味があります。
A子さっきアドホック委員会が解散されたってニュースで見たよ。
アドホックの意味② 『若者向け専門店・レストラン等の総合店舗』
若者好みの専門店やレストランを1か所に集めた総合店舗。
アドホック（ad hoc）は、「特定の目的のための」「限定目的の」などといった意味のラテン語の語句である。ad hocのadは「〜へ」「〜について」、hocは「これ」「この」という意味で、英語では「for this」に相当することになる。ヨーロッパ諸語では様々な語句と組み合わせて用いられている。
引用：Weblio辞書
『アドホック』には
- 若者好みの専門店やレストランを1か所に集めた総合店舗
などの意味があります。
元々「特定の目的のための」と意味を持つことから、
特に若者向けの専門店やレストランなどが1か所に集まった商業施設のことを指すと考えられます。
B男新しいアドホックがオープンしたらしい。
アドホックの意味③『アドホックモード』
IT用語としては、アドホックといえば主に無線LANにおけるアドホックモードを指すことが多い。アドホックモードでは、パソコンなどのノードが無線LANアクセスポイントなどを通さず、その場で互いにデータをやり取りする。このようにして構成されたネットワークは「アドホックネットワーク」と呼ばれる。アドホックモードに対して、無線LANアクセスポイントを通して通信する方式はインフラストラクチャーモードと呼ばれる。
引用：Weblio辞書
『アドホック』には
- アドホックモードの略称
などのIT用語としての意味があります。
アドホックの正しい使い方（ビジネスシーンで使う場合）
ビジネスシーンで使う『アドホック』は、『～の為の』『その場限りの～』などがあります。
例文① 『～の為の』『その場限りの～』という意味で使う時
【Before】
C子状況を見て臨機応変な対応をお願いします。
【After】
C子状況を見てアドホックな対応をお願いします。
【アドホックを使う時の注意点】
アドホックはビジネスシーンでは、『～～の為の』『その場限りの～～』等の意味で用いられ、
"アドホック委員会"で耳にすることが多いでしょう。
派生して、業界によっては異なる意味で使われている場合もあるので注意が必要です。
業界別の意味は、次の類義語、関連用語のブロックで紹介します☟
アドホックの類義語は「その場限りの・臨時的な」
『アドホック』の類義語は「その場限りの・臨時的な」になります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
その場限りの・臨時的なという意味を持つアドホックは、日本語で『その場限り』と言い換えることができます。
C子市場価値が知りたかったので、その場限りでアンケートを実施した。
アドホックの関連用語4選
『アドホック』の類義語・関連用語は4つあります。
- アドホック・Ad hoc PCI
- アドホック調査
- アドホック分析
- アドホックテスト
関連用語① 『アドホック』『Ad hoc PCI』の意味 （医療用語）
医療での「アドホック」は「冠動脈疾患の治療法の1つ」を意味します。冠動脈造影を実施し、治療が必要な狭窄（きょうさく）が見つかる状況で、その場で心臓カテーテル手術（PCI）をおこなうことを意味します。それら一連の流れを「Ad hoc PCI（アドホック ピーシーアイ）」と呼びます。
引用：TRANS.Biz
関連用語② 『アドホック調査』の意味 （マーケティング用語）
単発調査のこと。調査に関するすべての過程（企画、サンプリング、実査、集計、分析、報告）を1回のみで完結する、オーダー・メイド調査です。
引用：CHEWY
B子アドホック調査をすることで、迅速に作業を進めていく。
関連用語③ 『アドホック分析』の意味 （マーケティング用語）
単発的に実施されるデータ分析のこと。データ分析に必要なすべての過程（調査の設計、対象者選択、調査、集計、分析）が1回のみで完結します。ビックデータ処理や市場調査などで使われます。
引用：CHEWY
関連用語④ 『アドホックテスト』の意味 （プログラミング用語）
「アドホックテスト」とは「計画性のないテスト」を表す状況で使えます。その場その場で思いついた項目をテストするため、テストの仕様書などは用意されません。できあがったばかりのソフトなど、テストをあまりしていない段階では、よくあるバグを見つけるメリットがあります。
ただ、計画的におこなうテストと比較すると劣るため、「いい加減なテスト」と言われることもあります。
引用：TRANS.Biz
C子明日アドホックテストを行って、ソフトにバグがないかを確認します。
アドホックの対義語・反対語は『ルーチン』
『アドホック』の対義語は、『ルーチン』になります。
「アドホック」の対義語に当てはまるのが“ルーチン”です。「ルーチン」とは「型が決まっている仕事」を意味し、ビジネスシーンでは「ルーチン作業」などの使い方をします。「アドホック」の「その場限りの」「臨時的な」という意味と、「ルーチン」の「型がきまった」という意味が反対であるため、対義語に当てはまります。
引用：TRANS.Biz
『ルーチン』には
- 型が決まった
などの意味があり、『ルーチンワーク』『ルーチン作業』のように用いられます。
【ルーチン・ルーティン・ルーティーン の違い】
これら3つはカタカナ語として用いられる際にはすべて同じ意味です。
英語では『Routine』となるので、ルーティーンが本来の正しい発音です。