「諮問」という言葉には、「有識者に意見を求めること」という意味があります。
政治やビジネスの場ににおいて専門的な知識や意見を収集する時によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「諮問」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「諮問」の意味は『専門家に教えを乞う』
諮問の読み方は「しもん」です。
語源は漢字の「諮」と「問」から来ており、
- 「諮」は上の人が下の者にたずねる・相談するという意味
- 「問」は問いただす・たずねるという意味
の2つが合わさってできた言葉です。
『諮問』には
- 専門家や有識者に意見を求める
- 上のものが下のものに相談する
などの意味があります。
「諮問」の正しい使い方を例文で紹介!
「諮問」は、ビジネスや政治の場において、有識者に専門知識を求める場合に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
総理大臣が経済諮問会議を開催するニュースが報道された。
例文②
法的な問題については、弁護士の意見を諮問するのがよい。
例文③
諮問を受けた機関が意見を述べる事を答申と言う。
「諮問」の類義語・言い換え4選
『諮問』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 諮詢(しじゅん)
- 質問
- 相談
- 問う
類義語①諮詢(しじゅん)の意味
[名](スル)参考として他の機関などに意見を問い求めること。諮問。「案件について―する」
引用:goo辞書
会社の戦略を考えるために、経営コンサルタントに諮詢する。
類義語②質問の意味
[名](スル)わからないところや疑わしい点について問いただすこと。また、その内容。「―に答える」「先生に―する」
引用:goo辞書
生徒が先生に授業での不明点を質問した。
類義語③相談の意味
- 問題の解決のために話し合ったり、他人の意見を聞いたりすること。また、その話し合い。「―がまとまる」「―に乗る」「友人に―する」「身の上―」
- どう行動するかを決めるのに、何かと考え合わせること。「財布と―」「身体と―しながら頑張る」
引用:goo辞書
恋の悩みを友人に相談する。
類義語④問うの意味
- わからないことやはっきりしないことを人に聞く。また、相手の考えを知ろうとして、ある事をたずねる。多くの人に判断を求める。質問する。「安否を―・う」「真意を―・う」「選挙で民意を―・う」
- (多く受身の形で)人の能力や物事の価値などを改めて試す。「指導力が―・われる」「真価が―・われる」
- 責任の所在や犯罪の事実などを追及する。「責任を―・う」「殺人罪に―・われる」
- (下に打消しの語を伴って)ある資格や条件を問題として取り上げる。「年齢・性別は―・わない」「過去は―・わない」
- 話しかける。もの言う。「さねさし相模の小野に燃ゆる火の火中 (ほなか) に立ちて―・ひし君はも」〈記・中・歌謡〉
- 占いをして結果を求める。「夕占 (ゆふうら) を我が―・ひしかば」〈万・三三一八〉
- 求婚する。「一人もちたる姫をも―・ふ人もなし」〈伽・鉢かづき〉
引用:goo辞書
自分の行動が本当に正しいものだったのか、自分自身に問う。
「諮問」と「試問」の違いは?
「諮問」と「試問」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「諮問」には専門機関に意見を求めるという意味がありますが、
それに対し「試問」には、学力や知識の程度について、問題を出して試すという意味があります。
「諮問」と「試問」は読み方は全く同じですが、意味は異なるため言葉の置き換えは出来ません。
「諮問」は専門機関や有識者に意見を求めたり、教えを乞う事を指しますが、「試問」は、学力や知識を試すために問題を出す事、またはその問題自体を指しています。
「試問」が求めるのは意見ではなく回答です。
「諮問」は英語で『advisory』
諮問は英語の『advisory』に言い換えることができます。
英語の『advisory』には
- 助言を与える
- 忠告
という意味があります。
「諮問」の対義語・反対語は『答申(とうしん)』
諮問の対義語は、『答申』になります。
答申には
- 上司の問いに対して意見を述べる事
という意味があり、主に政府機関や官公庁が、専門機関に諮問した結果を返答する時に用いられます。
「諮問」が政府や官公庁などが専門機関に意見をたずねる事を指すのに対し、その返答が「答申」となります。
どちらの言葉も日常生活よりも政府や官公庁ビジネスなど、公式な場や文書で使用される事が多く、重要な意思決定などで目にすることがあります。