「敢えて」という言葉には、「無理に」という意味があります。
ビジネスシーンや日常生活など、よく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「敢えて」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
敢えての意味は『無理に』
【敢えての意味】
[副]《動詞「あ(敢)う」の連用形+接続助詞「て」から》
1 やりにくいことを押しきってするさま。無理に。「言いにくいことを―言おう」
2 (あとに打消しの語を伴って)
㋐特に取り立てるほどの状態ではないことを表す。必ずしも。「―驚くにはあたらない」
㋑打消しを強める。少しも。全く。
「―然 (そ) うで無いです」〈鏡花・日本橋〉
引用:goo辞書
敢えての読み方は「あえて」です。
「敢」には困難・障害を押し切って行動を起こすこと、という意味があります。
『敢えて』には
- やりにくいことを押しきってするさま
- 特に取り立てるほどの状態ではないこと
などの意味があります。
「敢えて」の正しい使い方を例文で紹介!
「敢えて」は、やりにくいことを押し切ってする様を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
寒い時に敢えてアイスを食べるのが好きです。
例文②
今ここで敢えてその話を持ち出さなくてもいいじゃないか。
例文③
敢えて写真には残さない。
例文④
敢えて大きめのサイズを買って着ています。
例文⑤
ケーキを買ってきたことを敢えて黙っておくことで、サプライズ感を出したい。
【敢えてを使う時の注意点】
「敢えて〜ない」と、打ち消しの言葉を後に続けることで、打ち消しの意味を強め、特に取り立てるほどではないということを表現することができます。
「敢えて」の類義語・言い換え2選
『敢えて』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 強いて
- わざわざ
類義語①強いての意味
[副]《動詞「し(強)いる」の連用形に接続助詞「て」が付いてできた語》
1 困難・抵抗・反対などを押し切って物事を行うさま。あえて。むりに。むりやり。「いやがる子に―やれとは言えない」
2 むしょうに。むやみに。
「―悲しと覚え給ひけり」〈源・柏木〉
引用:goo辞書
強いて言うなら、ピンクの方が好みです。
類義語②わざわざの意味
1 他のことのついでではなく、特にそのためだけに行うさま。特にそのために。「―出掛けなくても電話で済むことだ」
2 しなくてもよいことをことさらするさま。故意に。「御親切にも―忠告に来る人がいる」
→折角 (せっかく) [用法]
引用:goo辞書
わざわざ遠くのスーパーで惣菜を買って来なくてもよかったのに。
「敢えて」と「強いて」の違いは?
「敢えて」と「強いて」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「敢えて」には無理にという意味がありますが、
それに対し「強いて」には、しなくても良いことをするという意味があります。
「敢えて」はやりにくいことを無理にするということを表しますが、「強いて」はしなくても良いことをすることを表します。
「強いて」は「強いて言うなら」という表現がよく使われますので、併せて覚えておきましょう。
「敢えて」は英語で『dare』
敢えては英語の『dare』に言い換えることができます。
英語の『dare』には
- あえて…する
- 思い切って…する
という意味があります。
「敢えて」の対義語・反対語はありません。
敢えての対義語は、ありません。