「態々」という言葉には、「そこまで行なわなくてもいいことを行うさま」という意味があります。
日常生活の会話などでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「態々」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「態々」の意味は『そこまで行なわなくてもいいことを行うさま』
態々の読み方は「わざわざ」です。
語源は「態々し」という古語から来ており、
- 「態」はわざと・わざわざ
- 「々」は漢字の繰り返し記号
の2つが合わさってできた言葉です。
『態々』には
- 通常ならそこまで行なわなくてもいいことを行うさまのこと
などの意味があります。
「態々」の正しい使い方を例文で紹介!
「態々」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①感謝や恐縮の意を伝える時
相手に感謝や恐縮の気持ちを伝える時に使われます。
【例文①】
態々お越しいただきましてありがとうございます。
【例文②】
態々ご連絡くださりありがとうございました。
例文②特別なことのニュアンスで使う時
物事を特別に行う時に使われます。
【例文①】
態々外にでなくても、家の中でも走れるようにランニングマシーンを購入した。
【例文②】
態々買い物に行かなくても、ネットショッピングで日用品は買えます。
例文③余計なことというニュアンスで使う時
物事に対して余計な事というニュアンスでも使われます。
【例文①】
くだらないことなのに、態々先生に言いつけに行ったらしい。
【例文②】
態々そんなことを言うために来たの?
【態々を使う時の注意点】
「態々」は、「感謝・恐縮の意を伝える」「特別なこと」「余計なこと」という3つの使い方があるので、使用には注意が必要です。
「態々」の後に続く言葉次第では、「余計なことをした」などの失礼な言い方になってしまうことがあるので注意しましょう。
「態々」の類義語・言い換え4選
『態々』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- せっかく
- 故意に
- 殊更
- 遠路はるばる
類義語①せっかくの意味
漢字表記:折角
- いろいろの困難を排して事をするさま。無理をして。苦労して。わざわざ。
- 滅多に得られない、恵まれた状況を大切に思う気持ちを表す。
- 全力を傾けて事をするさま。つとめて。せいぜい。手紙文などで用いる。
引用:goo辞書
せっかく来てくれたのに売り切れてしまい、ごめんなさいね。
類義語②故意の意味
あの人は故意に間違えたに違いない。
類義語③殊更の意味
殊更子供に八つ当たりすることは、しつけではなく虐待だと思う。
類義語④遠路はるばるの意味
長く遠い道のりによって隔てられているさま、および、そのような長距離を苦労を押して移動する様子を意味する語。
引用:weblio辞書
遠路はるばるお見送りしていただきありがとうございます。
「態々」と「業々」の違いは?
「態々」と「業々」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「態々」には特別に・そのことのためだけに、行う様子という意味がありますが、
それに対し「業々」には、あやぶみ恐れるさま・盛んなさまという意味があります。
態々は「わざわざ」と読み、特別に・そのことのためだけに行う様子を意味します。
一方、業々は「ぎょうぎょう」と読み、恐れるさま・盛んなさまという意味です。
「態々」は英語で『all the way』
態々は英語の『all the way』に言い換えることができます。
英語の『all the way』には
- 道中ずっと・はるばる
- わざわざ・幅広く
という意味があります。
「態々」の対義語・反対語は『序に』
態々の対義語は、『序に』になります。
序にには
- あることをする、その機会を利用していっしょに
などの意味があり、何かをする機会を利用して、別のことを加えてするというとき用いられます。
買い物の序に、このはがきをポストに投函してきてほしい。
「態々」は特別に・そのことのためだけに、行う様子を表すときに使われます。
一方で、「序に」は何かをする機会を利用して、別のことを加えてするというときに使われます。