「逼迫」という言葉には、「追い詰められて、ゆとりがない状態になること」という意味があります。
ニュース・ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「逼迫」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「逼迫」の意味は『追い詰められて、ゆとりがない状態になること』
逼迫の読み方は「ひっぱく」です。
語源は「逼」は漢字検定準1級、「迫」は中学校で習う感じで、
- 「逼」はせまる・さしせまる・近づく
- 「迫」はせまる・さしせまる・近づく
の2つが合わさってできた言葉です。
『逼迫』には
- 追い詰められて、ゆとりがない状態になること。
などの意味があります。
「逼迫」の正しい使い方を例文で紹介!
「逼迫」は、行き詰まって余裕がなくなること、事態が差し迫ることを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子父が幼かった頃、家庭は裕福ではなく、生活が逼迫することも多かったらしい。
例文②
B男母の病状が逼迫してると連絡を受けました。
例文③
C子穴に落ちてしまって逼迫した状態の子猫を、私達は急いで助け出しました。
例文④
B子医療現場は、人手不足などで逼迫した状況が続いています。
例文⑤
C男締め切りが逼迫していて、今夜中に仕上げなければならない。
【逼迫を使う時の注意点】
「逼迫」は追い詰められて、ゆとりがない状態になることを意味し、行き詰まって余裕がなくなること、事態が差し迫ることを表すときに使われます。
主にニュース・ビジネスなどフォーマルな文で使われる言葉で、大きな問題・深刻な状態の時に使うので軽い場面で使わないようにしましょう。
「逼迫」の類義語・言い換え5選
『逼迫』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 切迫
- 緊迫
- 急迫
- 危急
- 焦眉
類義語①切迫の意味
B子彼女の身に危険が切迫しているようです。
類義語②緊迫の意味
A子社長の一言で社内は緊迫した空気に包まれました。
類義語③急迫の意味
B男事態が急迫したので、緊急でみんなを招集しました。
類義語④危急の意味
B子彼は危急の事態に備えるよう指示しました。
類義語⑤焦眉の意味
C男物価高騰への対策は、今まさに焦眉の急だと思う。

「逼迫」と「切迫」の違いは?
「逼迫」と「切迫」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「逼迫」には追い詰められて、ゆとりがない状態になることという意味がありますが、
それに対し「切迫」には、時間や事態が目前まで迫ってくることという意味があります。
よく混同される言葉ですが、「逼迫」は追い詰められて余裕がなくなる状態の逼り(せまり)を表し、深刻さが強い言葉です。
一方で「切迫」は時間や事態が目前まで迫ってくる差し迫りを表しています。
つまり「逼迫」は余裕がない状況、「切迫」は期限や事態が近づいてくることを指しています。
「逼迫」は英語で『pressure』
逼迫は英語の『pressure』に言い換えることができます。
英語の『pressure』には
- 押すこと・押し寄せること・(物理的な)圧力・圧力(度)
- 気圧・血圧・圧迫・圧力・強制・(不快な)圧迫感
という意味があります。
「逼迫」の対義語・反対語は『余裕』
逼迫の対義語は、『余裕』になります。
余裕には
- 必要分以上に余りがあること
- 限度いっぱいまでには余りがあること
- ゆったりと落ち着いていること
- 心にゆとりがあること
などの意味があり、時間・金銭・精神・物理的な空間などにゆとりや余りがあり、ゆったりと落ち着いた状態を表すときに用いられます。
B男おかげさまで、かなり心に余裕が出来ました。
「逼迫」は追い詰められて、ゆとりがない状態になることを指し、「余裕」は必要分以上に余りがあること・限度いっぱいまでには余りがあることを指しています。


