「摘発」という言葉には、「悪事などをあばいて世間に発表すること」という意味があります。
事件や犯罪に関する場面でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「摘発」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「摘発」の意味は『悪事などをあばいて世間に発表すること』
摘発の読み方は「てきはつ」です。
語源は漢字の「摘」と「発」から来ており、
- 「摘」は悪事をあばきだすこと
- 「発」は外部に向けて出すこと
の2つが合わさってできた言葉です。
『摘発』には
- 悪い企みや、良くない行為などを暴き、社会に公表すること
などの意味があります。
「摘発」の正しい使い方を例文で紹介!
「摘発」は、事件や犯罪に関する場面でよく使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

テレビにもよく出ていた資産家が、脱税で摘発された。
例文②

警察によって巨大麻薬組織が摘発されたと報道があった。
例文③

条例違反の疑いで、秋葉原のメイドカフェが一斉摘発された。
例文④

違法薬物の持ち込みが空港で摘発されるケースが増加している。
例文⑤

調査チームによって、不正行為が摘発されました。
【摘発を使う時の注意点】
「摘発」は犯罪行為などの悪事を明らかにするという意味で使われますが、厳密には法律用語ではありません。
「摘発」の類義語・言い換え3選
『摘発』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 発覚
- 露見
- 暴露
類義語①発覚の意味
隠していた悪事・陰謀などが明るみに出ること。
引用:Weblio辞書

検査報告書の数値を操作している不正が発覚した。
類義語②露見の意味
- 秘密や悪事など隠していたことが表に現れること。ばれること。
- 結婚してから3日目に他人に披露すること。ところあらわし。
引用:Weblio辞書

彼は悪事が露見することを恐れて、データを全て消去したらしい。
類義語③暴露の意味
- むき出しにすること。特に、悪事・秘密などをあばいて明るみに出すこと。また、それらが明るみに出ること。
- 風雨にさらすこと。また、さらされること。
- 細菌・ウイルスや薬品などにさらすこと。また、さらされること。
引用:Weblio辞書

彼女は勇気を出して、事件の真相を暴露した。

「摘発」と「検挙」の違いは?
「摘発」と「検挙」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「摘発」には悪事などをあばいて世間に発表することという意味がありますが、
それに対し「検挙」には、検察官・司法警察職員などが認知した犯罪行為について被疑者を取り調べることという意味があります。
どちらも犯罪などに関わる言葉ですが、「摘発」は犯罪や悪事があったという事実を世間に公表することを表すので、犯人の特定の有無は関係しません。
対して「検挙」は犯罪の事実や犯人の特定し、取り調べることを意味します。
「摘発」は英語で『revelation』
摘発は英語の『revelation』に言い換えることができます。
revelationの意味
(今までわからなかったこと・隠されていたものを)明らかにすること、暴露、すっぱ抜き、漏らすこと、発覚、暴露された事物、意外な新事実、明らかにされた事実、天啓、啓示
英語の『revelation』には
- 暴露
- 発覚
という意味があります。
「摘発」の対義語・反対語は『看過』
摘発の対義語は、『看過』になります。
看過には
- あることを目にしていながら、そのままほうっておくこと
- 見逃すこと
などの意味があり、見て見ぬふりをすることを表すときに用いられます。

部下に対する彼の高圧的な言動は看過できない。
「摘発」は悪事などをあばいて世間に発表することという意味で使われ、「看過」はあることを目にしていながら、そのままほうっておくことという意味で使われます。
