「三重苦」という言葉には、「三つの苦しみが重なること」という意味があります。
日常会話でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「三重苦」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
三重苦の意味は『三つの苦しみが重なること』
三重苦の読み方は「さんじゅうく」です。
語源は諸説ありますが、仏教経典で説かれている、人間は生きる過程で避けられない苦しみを経験するという話の中で、三つの主要な苦しみが重なる状況を「三重苦」と呼んだことが由来であるという説が有力です。
『三重苦』には
- 三つの苦しみが重なること
- 盲・聾
・唖
であること
などの意味があります。
「三重苦」の正しい使い方を例文で紹介!
「三重苦」は、日常会話で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子私の近況を話すと、勤め先が倒産して収入が無くなった矢先に、夫の浮気が発覚、そのうえ病気も見つかるという三重苦です。
例文②
B男起業してすぐは調子が良かったが、コストの増加に売上低下、人手不足の三重苦で、経営の難しさを痛感している。
例文③
C子大きな災害に見舞われると、住環境の悪化、経済的な苦しさ、健康問題の三重苦の中で生きなければならない。
例文④
B子学生は気楽でいいと言われるけど、研究にバイト、就活の三重苦で毎日忙しくて大変だ。
例文⑤
C男見た目がよくない、学歴がない、収入も少ない、というコンプレックスの三重苦だから、婚活に苦戦しているんだ。
【三重苦を使う時の注意点】
以前は、目が見えない「盲」の視覚障害、耳が聞こえない「聾(ろう)」の聴覚障害、言葉を話せない「唖(あ)」の言語障害の三つの苦しみを指していましたが、現在は差別や偏見という観点から、障害を意味する使い方は好まれず、生活上の困難や仕事でのトラブルなどを表すときに使われます。
「三重苦」の類義語・言い換え5選
『三重苦』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 四苦八苦
- 弱り目に祟り目
- 泣き面に蜂
- ダブルパンチ
- 一難去ってまた一難
類義語①四苦八苦の意味
- 非常に苦労、また、苦悩すること。
- 仏語。人間のあらゆる苦しみ。生・老・病・死の四苦と、それに愛別離苦・怨憎会苦
・求不得苦
・五陰盛苦
を加えた八苦。
引用:コトバンク
B子仕事と育児の両立に四苦八苦している。
類義語②弱り目に祟り目の意味
弱ったときに、さらに災難にあうこと。不運が重なること。泣き面に蜂
引用:コトバンク
A子仕事でミスをしてしまった日に、恋人から振られるなんて、弱り目に祟り目だ。
類義語③泣き面に蜂の意味
泣いている顔をさらに蜂が刺す。不運や不幸が重なることのたとえ。
引用:コトバンク
B男寝坊して会社に遅刻した上に、急いで転んで松葉杖になってしまい、泣き面に蜂でした。
類義語④ダブルパンチの意味
- ボクシングで、同じ手で二度連続して打つこと。
- 一度に二つの痛手を受けること。
引用:コトバンク
B子原料費の高騰と客足の減少のダブルパンチで、閉店を視野に入れなければならない状況です。
類義語⑤一難去ってまた一難の意味
一つの災難が過ぎてほっとする間もなく、また次の災難が起きること。
引用:コトバンク
C男インフルエンザでの学級閉鎖が明けたと思ったら、胃腸炎が流行りだすなんて、一難去ってまた一難だ。

「三重苦」と「二重苦」の違いは?
「三重苦」と「二重苦」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「三重苦」には三つの苦しみが重なることという意味がありますが、
それに対し「二重苦」には、二つの苦しみが重なることという意味があります。
どちらも複数の苦しみが重なる状況を表す言葉で、苦しみの数が三つであるか二つであるかの違いで使い分けます。
元々は「三重苦」という言葉が先にあり、それに倣って「二重苦」という言葉が使われるようになりました。
「三重苦」は英語で『triple difficulty』
三重苦は英語の『triple difficulty』に言い換えることができます。
英語の『triple difficulty』には
- 三重苦
という意味があります。
「三重苦」の対義語・反対語はありません
三重苦の対義語は、ありません。


