「人徳」という言葉には、「その人の身についている徳」という意味があります。
人を褒める際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「人徳」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「人徳」の意味は『その人の身についている徳』
人徳の読み方は「じんとく」です。
「人」は小学1年生、「徳」は小学4年生で習う漢字で、
- 「人」は人間・人類・人柄・性質
- 「徳」は本来備わっている優れた性質や能力
の2つが合わさってできた言葉です。
『人徳』には
- その人の身についている徳
- その人にそなわっている徳
などの意味があります。
「人徳」の正しい使い方を例文で紹介!
「人徳」は、人柄・知性・物事への取り組み方などが素晴らしいことを表したいときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼女の人徳を慕ってたくさんの後輩たちが集まり、この会が開かれることになりました。
例文②

この仕事が無事に終わったのは、みんなの努力はもちろん、部長の人徳のおかげだと思います。
例文③

人徳に恵まれている彼女の意見はきっと通るはずです。
例文④

彼は人徳や経験を活かし、今回リーダーに立候補していました。
例文⑤

先代の社長は人徳があり人柄は申し分ない方だったが、経営に関してはあまり上手いとは言えなかったです。
【人徳を使う時の注意点】
「人徳」はその人の身についている徳という意味で、その人自身がもともと持っている人柄・知性・物事への取り組み方などが優れていることを表すときに使われます。
例文のように、人柄がよく人望を集める人によく使われる言葉です。
「人徳」の類義語・言い換え5選
『人徳』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 人望
- 人格者
- 高徳
- 器量
- 人間力
類義語①人望の意味
信頼できる人物として、人々から慕い仰がれること。
引用:コトバンク

市長は何よりも市民の事を優先しているので、市民からの人望は非常に厚いです。
類義語②人格者の意味
すぐれた人格の持ち主。
引用:コトバンク

彼は人格者なので、周囲の人達が一目置いています。
類義語③高徳の意味
徳がすぐれて高いこと。また、徳のすぐれて高い人。
引用:コトバンク

彼は高徳の人としてたくさんの人から尊敬されています。
類義語④器量の意味
- ある事をするのにふさわしい能力や人徳。
- その人の才徳に対して世間が与える評価。面目。多く、男性についていう。
- 顔だち。容貌(ようぼう)。多く、女性についていう。
- もののじょうず。名人。
引用:weblio辞書

彼女はこの地域で一番の器量よしで通っていました。
類義語⑤人間力の意味
さまざまな面から見て魅力的だと感じられる、一人の人間としての能力を意味する語。
引用:weblio辞書

私は彼女の人間力に惹かれました。

「人徳」と「人望」の違いは?
「人徳」と「人望」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「人徳」にはその人の身についている徳という意味がありますが、
それに対し「人望」には、信頼できる人物として人々から慕い仰がれることという意味があります。
どちらも人柄の素晴らしさを意味する言葉ですが、「人徳」はある人物が自分自身で備え持っている内面的なものを表すときに使われます。
一方で「人望」は、ある人物を取り巻く状況を表すときに使われる言葉です。
「人徳」は英語で『natural virtue』
人徳は英語の『natural virtue』に言い換えることができます。
英語の『natural virtue』には
- 人徳
という意味があります。
「人徳」の対義語・反対語は『小人』
人徳の対義語は、『小人』になります。
小人には
- 度量や品性に欠けている人
- 器量が小さい人
などの意味があり、度量や品性に欠けている人・器量が小さい人を表すときに用いられます。

彼は小人ゆえに、常に不平不満ばかりを口にしています。
「人徳」はその人の身についている徳のことを指し、「小人」は度量や品性に欠けている人・器量が小さい人を指しています。
