「畏怖」という言葉には、「おそれおののくこと」という意味があります。
圧倒的な力をもつものに対して抱くおそれの感情を表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「畏怖」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「畏怖」の意味は『おそれおののくこと』
畏怖の読み方は「いふ」です。
語源は漢字の「畏」と「怖」から成り立っており、
- 「畏」はおじけづく、おびえる
- 「怖」はびくびくする、こわがる
の2つが合わさってできた言葉です。
『畏怖』には
- おそれおののくこと
などの意味があります。
「畏怖」の正しい使い方を例文で紹介!
「畏怖」は、圧倒的な力をもつものに対して抱くおそれの感情を表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

雄大な自然を前にして、畏怖の念を感じました。
例文②

日本人は信仰が薄いと言われているが、神を畏怖する心は誰もが持っている。
例文③

部長はとても仕事ができる人ですが、厳しい人でもあるので、周りから畏怖の対象とされています。
例文④

吹きすさぶ嵐を見ていると、畏怖の念が湧き上がってくる。
例文⑤

子どもの頃、体が大きく厳格な祖父のことを畏怖していた。
【畏怖を使う時の注意点】
「畏怖」はおそれおののくことという意味ですが、圧倒的なものに対する尊敬の気持ちも含まれています。
「畏怖」の類義語・言い換え3選
『畏怖』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 恐懼
- 敬畏
- 恐怖
類義語①恐懼の意味
おそれかしこまること。
引用:Weblio辞書

科学的に証明できないような現象を目にすると、人は恐懼の念を抱く。
類義語②敬畏の意味
うやまい、おそれること。心からうやまうこと。
引用:Weblio辞書

彼の長年の研究による功績に、敬畏の念を抱いています。
類義語③恐怖の意味
おそれること。こわいと思うこと。また、その気持ち。
引用:Weblio辞書

登山中に熊に出くわしたとき、恐怖で体がすくんでしまった。

「畏怖」と「畏敬」の違いは?
「畏怖」と「畏敬」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「畏怖」にはおそれおののくことという意味がありますが、
それに対し「畏敬」には、崇高なものや偉大な人を、おそれうやまうことという意味があります。
どちらも似たような意味合いで使われる言葉ですが、「畏怖」はおそれの気持ちが強いのに対し、「畏敬」の方が尊敬の意味合いが強く、ポジティブな印象を与えます。
尊敬する人物や崇高なものに対して使うときは「畏敬」を使うといいでしょう。
「畏怖」は英語で『awe』
畏怖は英語の『awe』に言い換えることができます。
英語の『awe』には
- 畏(おそ)れ
- 畏怖(いふ)
という意味があります。
「畏怖」の対義語・反対語は『軽侮』
畏怖の対義語は、『軽侮』になります。
軽侮には
- 軽んじあなどること
- 人を見下してばかにすること
などの意味があり、〈何かを軽んじたり、人を見下したりすることを表すときに用いられます。

彼の人を軽侮した態度は、周りからの反感を買っている。
「畏怖」はおそれおののくことという意味で使われ、「軽侮」は軽んじあなどることという意味で使われます。
