「産を破る」という言葉には、「財産をすべて失う」という意味があります。
中島敦の『山月記』にも出てくる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「産を破る」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
産を破るの意味は『財産をすべて失う』
産を破るの読み方は「さんをやぶる」です。
生活に必要な元手という意味の「産」と、今まで続いてきた状態を損なうという意味の「破る」が合わさった言葉です。
『産を破る』には
- 財産をすっかり失う
- 破産する
などの意味があります。
「産を破る」の正しい使い方を例文で紹介!
「産を破る」は、所有する財産をすべて失うという意味で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
同級生の話だと、彼女ブランド品ばかり買い漁って、最終的に産を破ることになったって聞いたわよ。
例文②
噂によると彼、興した会社が軌道に乗り始めていたのに、焦って事業を拡大したばかりにそれまで築き上げた産を破ったらしいよ。
例文③
たとえ親友であっても借金の保証人になんてなるべきじゃないわ。産を破る羽目になるのは嫌でしょ。
例文④
叔父はギャンブルにはまった挙句産を破ることになり、ついには持ち家を手放したらしい。
例文⑤
僕の同級生に老舗旅館の長男がいるんだけど、父親が経営に失敗して産を破ったらしく、彼が代わりに経営を立て直そうと奔走しているみたいなんだ。
【産を破るを使う時の注意点】
「産を破る」とは破産のことであり、財産を失うことです。
「産」という語が入っていますが、お産に関する意味は一切ないので注意しましょう。
「産を破る」の類義語・言い換え3選
『産を破る』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 破産
- 倒産
- 無一文になる
類義語①破産の意味
1 財産をすべて失うこと。
2 債務者が債務を完済することができなくなった状態。また、そうなった場合に、債務者の総財産をすべての債権者に公平に弁済するために、破産法で定められている制度。一般に、そのための裁判上の手続きをいうこともある。
引用:weblio辞書
あの会社、突然破産して責任者は雲隠れしたんだって。契約した顧客達が集団訴訟を起こす準備をしてるって聞いたわよ。
類義語②倒産の意味
企業が経営資金のやりくりがつかなくなってつぶれること。企業が不渡手形などを出して銀行から取引停止を受け、営業困難に陥ること。
引用:goo辞書
不況続きでどんどん会社が倒産していくわね。うちの会社もそろそろ危ないんじゃないかしら。
類義語③無一文の意味
少しもお金を持っていないさま、または少しもお金を持っていない人を指す語。
引用:weblio辞書
兄は去年バックパッカーとしてフランスに行った際、メトロでスリに遭ったらしい。無一文になった兄を、たまたま出会ったおじいさんが助けてくれたそうだ。
「産を破る」は英語で『bankrupt』
産を破るは英語の『bankrupt』に言い換えることができます。
英語の『bunkrupt』には
- 破産者・支払い不能者
- 破綻者
という意味があります。
「産を破る」の対義語・反対語は『蓄財』
産を破るの対義語は、『蓄財』になります。
蓄財には
- 財産や金銭を蓄えること
などの意味があり、財産を蓄えるときに用いられます。
彼女は根っからの倹約家で、コンビニや自販機を利用することはまったくなく、蓄財に余念がなかった。
「産を破る」は財産をすべて失うことを意味し、「蓄財」は財産を蓄えることを意味します。