「舌を巻く」という言葉には、「あまりにも優れている状況に驚いて感心すること」という意味があります。
日常会話やビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「舌を巻く」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
舌を巻くの意味は『あまりにも優れている状況に驚いて感心すること』

舌を巻くの読み方は「したをまく」です。
語源は、中国の歴史書「漢書揚雄伝」の中にある「舌巻」という記述から来ており、驚いて感心した時には声も出ないので、舌を巻いて話せない状態に例えたと言われています。
『舌を巻く』には
- あまりにも優れている状況に驚いて感心すること
- 感嘆する
などの意味があります。
「舌を巻く」の正しい使い方を例文で紹介!

「舌を巻く」は、あまりにも優れている状況に驚いて感心することを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼のトークのうまさには、みんな舌を巻くほどでした。
例文②

彼のフィジカルの強さは、相手の監督でさえも舌を巻いた。
例文③

有名シェフも舌を巻くほど美味しいカップラーメンがあるらしい。
例文④

友人達とカラオケに行き、彼女の歌のうまさにみんな舌を巻いた。
例文⑤

彼女の弁舌が巧みで、納得してしまい舌を巻くしかなかった。
【舌を巻くを使う時の注意点】
「舌を巻く」はあまりにも優れている状況に驚いて感心することを指し、例文⑤のように相手に言いこめられたり威圧されたりして沈黙する様子を表す時にも使われます。
「舌を巻く」は、いい意味で使われる言葉ですが、目上の人に使う際は皮肉と誤解されてしまう場合もあるので注意が必要です。
「舌を巻く」の類義語・言い換え5選

『舌を巻く』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 感心
- 感嘆
- 脱帽
- 目を見張る
- 言葉を呑む
類義語①感心の意味
- りっぱな行為や、すぐれた技量に心を動かされること。心に深く感じること。感服。
- (逆説的に用いて)あきれること。びっくりすること。
引用:goo辞書

彼のアイディアにはいつも感心しています。
類義語②感嘆の意味

素晴らしいパフォーマンスに感嘆の声が響き渡りました。
類義語③脱帽の意味

私は生徒の勇気ある行動に脱帽しました。
類義語④目を見張るの意味
目を大きく開けて見る、または、優れたものなどを目の当たりにして驚いたり感動したりすること。
引用:weblio辞書

彼のここ1年の成長には目を見張るものがあります。
類義語⑤言葉を呑むの意味

突然の引退発表に、思わず言葉を呑んでしまいました。

「舌を巻く」と「しっぽを巻く」の違いは?

「舌を巻く」と「しっぽを巻く」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「舌を巻く」にはあまりにも優れている状況に驚いて感心することという意味がありますが、
それに対し「しっぽを巻く」には、立ち向かう気持ちをなくす・降参するという意味があります。
どちらも「巻く」が共通していますが、「舌を巻く」は感心することを指し、いい意味で使われプラスのイメージの言葉です。
一方で「しっぽを巻く」は、負けて降参する・戦う気持ちを失くすなどそこから逃げるような場面で使われ、マイナスのイメージの言葉です。
「舌を巻く」は英語で『be astonished』

舌を巻くは英語の『be astonished』に言い換えることができます。
英語の『be astonished』には
- 吃驚・喫驚・驚き入る・魂消る・驚く
- 舌を巻く・びっくりする・恐れ入る・驚き入る
という意味があります。
「舌を巻く」の対義語・反対語は『呆れかえる』

舌を巻くの対義語は、『呆れかえる』になります。
呆れかえるには
- 途方もないことに出あって、非常に驚く
- あっけにとられる
などの意味があり、途方もないことに出会い、非常に驚くことを表すときに用いられます。

あまりの非常識さに呆れかえりました。
「舌を巻く」はあまりにも優れている状況に驚いて感心することを指し、「呆れかえる」は途方もないことに出会い非常に驚くことを指し、感心しない状況を指しています。
