「お茶を濁す」という言葉には、「いい加減なことを言ってごまかす」という意味があります。
都合が悪いときに、はぐらかすことを表すのによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「お茶を濁す」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
お茶を濁すの意味は『いい加減なことを言ってごまかす』
お茶を濁すの読み方は「おちゃをにごす」です。
茶の湯の作法を知らない人が適当に茶わんをかき回し、それらしくお茶をたててその場を取り繕ったことが由来です。
手順を知らない素人が適当にお茶をたてると、抹茶が濁ってしまうことから「お茶を濁す」という言葉となりました。
『お茶を濁す』には
- いいかげんに言ったりしたりしてその場をごまかす
という意味があります。
「お茶を濁す」の正しい使い方を例文で紹介!
「お茶を濁す」は都合が悪いときに、はぐらかすことを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
上司に給与のことを質問したら、お茶を濁されてしまった。
例文②
彼女は大事な話になるといつもお茶を濁す。
例文③
政治家はいつも記者の質問にお茶を濁すばかりで、事実を説明しようとはしません。
例文④
友人から手作りお菓子の感想を求められたが、正直な意見を言えなくてお茶を濁してしまった。
【お茶を濁すを使う時の注意点】
「お茶を濁す」は、はっきりしない態度や言葉に対してマイナスなイメージを持つことを表現しているため、好ましく思っていない相手や場面でのみ使われます。
「お茶を濁す」の類義語・言い換え4選
『お茶を濁す』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 煙に巻く
- 臭い物に蓋をする
- 一杯食わす
- 朝三暮四(ちょうさんぼし)
類義語①煙に巻くの意味
大げさなことや相手の知らないようなことばかりを言い立てて、相手を圧倒したり、ごまかしたりする。
引用:goo辞書
彼はいつも巧みな話術で、相手を煙に巻いてしまいます。
類義語②臭い物に蓋をするの意味
悪事や醜聞などを、他に漏れないように一時しのぎに隠そうとするたとえ。
引用:goo辞書
彼はいつも臭い物に蓋をするようなことばかりなので、とうとう部署を異動させることにした。
類義語③一杯食わすの意味
うまく人をだます。
引用:goo辞書
友人の副業の話を信じたのに全く稼げず、彼に一杯食わされてしまった。
類義語④朝三暮四(ちょうさんぼし)の意味
目先の違いに気をとられて、実際は同じであるのに気がつかないこと。また、うまい言葉や方法で人をだますこと。朝四暮三。
引用:goo辞書
彼女は耳障りのいい言葉ばかり並べていましたが、結局は朝三暮四であったと分かりました。
「お茶を濁す」と「言葉を濁す」の違いは?
「お茶を濁す」と「言葉を濁す」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「お茶を濁す」にはいい加減なことを言ってごまかすという意味がありますが、
それに対し「言葉を濁す」には、はっきり言わないで曖昧に言うという意味があります。
どちらもその場をごまかすさまを表す言葉ですが、「お茶を濁す」は態度や振る舞いに対しても使われるのに対し、「言葉を濁す」は発言のみに対して使われます。
「お茶を濁す」は英語で『beat around the bush』
お茶を濁すは英語の『beat around the bush』に言い換えることができます。
英語の『beat around the bush』には
- 要点に触れない
という意味があります。
直訳すると「茂みを叩く」という意味ですが、転じて「本題ではないところを打っている」という意味合いになり、「お茶を濁す」に似た英語の慣用句です。
「お茶を濁す」の対義語・反対語は『明るみに出る』
お茶を濁すの対義語は、『明るみに出る』になります。
明るみに出るには
- 知られていなかったことや隠されていた事実が、世間に広まる
- 公になる
などの意味があり、隠されていた事実が表面化することを表すときに用いられます。
面接でついた嘘が明るみに出て、職場に居づらくなってしまった。
「お茶を濁す」は事実を隠してごまかすことを表しますが、「明るみに出る」は隠されていた事実が公になることを表します。