「拝承」という言葉には、「謹んで承ること」という意味があります。
ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「拝承」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「拝承」の意味は『謹んで承ること』

拝承の読み方は「はいしょう」です。
「拝」「承」は小学6年生で習う漢字で
- 「拝」はからだをかがめて敬意を表するおじぎする
- 「承」はうけたまわる・他人の意図をうけ入れる
の2つが合わさってできた言葉です。
『拝承』には
- 謹んで承ること
などの意味があります。
「拝承」の正しい使い方を例文で紹介!

「拝承」は、聞くこと・承知することをへりくだっていうときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

面談の日時変更の件、拝承しました。
例文②

先週のご依頼の件、拝承しました。
例文③

明日A様が弊社にお越しになるということで、拝承いたしました
例文④

先日の件につきましては、すでに拝承しております。
【拝承を使う時の注意点】
「拝承」は謹んで承ることという意味で、聞くこと・承知することをへりくだっていうときに使われます。
主に「拝承する」という動詞的に使われ、「拝承しました」「拝承したしました」など敬語表現で使われる言葉です。
また「拝承いたしました」は、謙譲語である「拝承」と「いたす」が重なった表現で二重敬語になりますが現代では多く使われている表現なので誤用扱いではありません。
「拝承」の類義語・言い換え5選

『拝承』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 承知
- 承諾
- 了解
- 了承
- 同意
類義語①承知の意味
読み方:しょうち
- 事情などを知ること。また、知っていること。わかっていること。
- 依頼・要求などを聞き入れること。承諾。
- 相手の事情などを理解して許すこと。多く下に打消しの語を伴って用いる。
引用:goo辞書

お申込みいただいた件、承知いたしました。
類義語②承諾の意味

クラス全員の承諾を得て進めることにしました。
類義語③了解の意味
物事の内容や事情を理解して承認すること。了承。
引用:goo辞書

今日は無理ということで了解しました。
類義語④了承の意味
事情をくんで納得すること。承知すること。承諾。
引用:goo辞書

先方の了承を得ることができましたので、記載することになりました。
類義語⑤同意の意味
- 他人の意見などに対して、賛成すること。
- 同じ意見。同じ考え。
- 同じ意味。同義。
引用:goo辞書

妻の提案に同意しました。

「拝承」と「承知」の違いは?

「拝承」と「承知」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「拝承」には謹んで承ることという意味がありますが、
それに対し「承知」には、依頼・要求などを聞き入れることという意味があります。
「拝承」は「聞く」「承知する」をへりくだっていう表現で、「承知」よりもより強い敬意を表す言葉です。
「拝承」は目上の人や上司に対して丁寧な言葉遣いを心がける時に使われ、「承知」は目上の人だけでなく、同僚や部下など様々な相手に対して使われます。
「拝承」は英語で『being informed』

拝承は英語の『being informed』に言い換えることができます。
英語の『being informed』には
- 拝承
という意味があります。
「拝承」の対義語・反対語は『拝送』

拝承の対義語は、『拝送』になります。
拝送には
- 見送ることをへりくだっていう語・つつしんで見送ること
- 送付することをへりくだっていう語
などの意味があり、見送ること・送付することをへりくだっていうときに用いられます。

心ばかりの品を拝送いたしました。
「拝承」は受け入れることですが、「拝送」は送付することを表す謙譲語です。
「拝承」は、承知することをへりくだっていうときに使われ、「拝送」は見送ること・送付することをへりくだっていうときに使われます。
