「蚊帳の外」という言葉には、「無視され、不利な扱いを受けること」という意味があります。
集団の中で孤立している様子を表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「蚊帳の外」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
蚊帳の外の意味は『無視され、不利な扱いを受けること』

蚊帳の外の読み方は「かやのそと」です。
「蚊帳」とは、蚊などの虫に刺されることを防ぐために、吊るして使う網でできた天幕のことです。
蚊帳の中にいれば、虫に刺される心配がありませんが、外にいると虫刺されの可能性があります。
このような状況から転じて、無視され、不利な扱いを受けることを「蚊帳の外」と表現するようになりました。
『蚊帳の外』には
- 無視され、不利な扱いを受けること
- 物事に関与できない位置に置かれること
- 内情がわからない立場に置かれること
などの意味があります。
「蚊帳の外」の正しい使い方を例文で紹介!

「蚊帳の外」は、集団の中で孤立している様子を表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

国際的に加速化しているテクノロジー開発の競争において、日本はすっかり蚊帳の外になってしまった。
例文②

異動先の部署には暗黙の了解のルールが多数存在していて、いつまで経っても蚊帳の外に置かれている気がする。
例文③

シーズン開幕から5連敗し、首位争いの蚊帳の外になっている。
例文④

友人たちが次々に結婚出産したので、みんなで集まっても独身の私は蚊帳の外にいるような気がしてしまいます。
例文⑤

子どもにスマホは持たせない主義だが、周りはみんな持っていてクラスで蚊帳の外になっているらしく、どうしたものかと悩んでいる。
【蚊帳の外を使う時の注意点】
「蚊帳の外」はネガティブな意味で使われる言葉なので、使う文脈には注意が必要です。。
「蚊帳の外」の類義語・言い換え3選

『蚊帳の外』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 村八分
- 爪弾き
- 疎外
類義語①村八分の意味
1 江戸時代以降、村落で行われた私的制裁。村のおきてに従わない者に対し、村民全体が申し合わせて、その家と絶交すること。「はちぶ」については、火事と葬式の二つを例外とするところからとも、また「はずす」「はねのける」などと同義の語からともいう。
2 仲間はずれにすること。
引用:Weblio辞書

移住先のローカルルールを守らないと、村八分にされる可能性があります。
類義語②爪弾きの意味

部長に反論した日から、部署内で爪弾きにされてしまった。
類義語③疎外の意味
1 嫌ってのけものにすること。
2 人間がみずから作り出した事物や社会関係・思想などが、逆に人間を支配するような疎遠な力として現出すること。また、その中での、人間が本来あるべき自己の本質を喪失した非人間的状態。
引用:Weblio辞書

転校生は疎外されやすいので、クラスに馴染めるようサポートすることが大切です。

「蚊帳の外」と「仲間はずれ」の違いは?

「蚊帳の外」と「仲間はずれ」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「蚊帳の外」には無視され、不利な扱いを受けることという意味がありますが、
それに対し「仲間はずれ」には、仲間に加えられないことという意味があります。
どちらも孤立している状態を表す言葉ですが、「蚊帳の外」は集団の中で無視されているたり、内情を知らされていない状態を意味し、
「仲間はずれ」は集団に入れてもらうことすらできない状態のことを意味します。
「蚊帳の外」は英語で『being kept out of the loop』

蚊帳の外は英語の『being kept out of the loop』に言い換えることができます。
英語の『being kept out of the loop』には
- 蚊帳の外
という意味があります。
「蚊帳の外」の対義語・反対語は『仲間入り』

蚊帳の外の対義語は、『仲間入り』になります。
仲間入りには
- 仲間に加わること
などの意味があり、ある集団や属性に所属することを表すときに用いられます。

新生チームだったが、今大会で優勝したことで、強豪の仲間入りを果たした。
「蚊帳の外」は無視され、不利な扱いを受けることという意味で使われ、「仲間入り」は仲間に加わることという意味で使われます。
