「朴訥」という言葉には、「かざりけがなく、口数が少ないこと」という意味があります。
寡黙な人柄を表す際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「朴訥」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「朴訥」の意味は『かざりけがなく、口数が少ないこと』
朴訥の読み方は「ぼくとつ」です。
語源は二つの漢字の組み合わせから来ており、
- 「朴」は飾り気がない
- 「訥」は口が重い
の2つが合わさってできた言葉です。
『朴訥』には
- 質朴で訥弁であること
- かざりけがなく、口数が少ないこと
などの意味があります。
「朴訥」の正しい使い方を例文で紹介!
「朴訥」は、かざりけがなく、口数が少ないことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
髙木くんは、朴訥な人だ。
例文②
うちの曽祖父は朴訥な性格だった。
例文③
彼の真面目で朴訥なところが好きです。
例文④
兄は朴訥で、とっつきにくいと思われがちだ。
例文⑤
今日面接に来た青年は、朴訥な話し方が好印象だった。
【朴訥を使う時の注意点】
朴訥は、他人について述べる際に用いる言葉で直接的な悪い意味合いはもっていませんが、褒め言葉として受け取らない人もいます。
無口なことがよいことだとされていた時代もありましたが、今は多様性の時代ですので、使う際には注意が必要です。
「朴訥」の類義語・言い換え5選
『朴訥』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 素朴
- 純朴
- 質朴
- 地味
- 寡黙
類義語①素朴の意味
[名・形動]
1 自然のままに近く、あまり手の加えられていないこと。単純で発達していないこと。また、そのさま。「―な遊び」「―な漁法」「―な疑問」
2 人の性質・言動などが、素直で飾り気がないこと。また、そのさま。「―な人柄」
引用:goo辞書
彼女の素朴は人柄が、みんなから愛されている。
類義語②純朴の意味
[名・形動]かざりけがなく素直なこと。人情が厚くて素朴なこと。また、そのさま。「―な人柄」「地方の―な風習」
引用:goo辞書
純朴でいつも笑顔の彼は、人気者です。
類義語③質朴の意味
[名・形動]性格がすなおで律義なこと。また、そのさま。純朴。素朴。「―な人」
引用:goo辞書
弟の質朴さを見習いたい。
類義語④地味の意味
[名・形動]
1 形や模様などにはなやかさがなく、目立たないこと。また、そのさま。「―な服装」「―づくり」⇔派手 (はで) 。
2 性質や物の考え方・生活態度などが、飾り気がなくて控え目なこと。また、そのさま。質素。「―で目立たない生徒」「―な商売」「―に暮らす」⇔派手。
3 ⇒ちみ(地味)
引用:goo辞書
彼女は地味で目立たないが、とても賢い。
類義語⑤寡黙の意味
[名・形動]口数が少ないこと。また、そのさま。「―な人」
引用:goo辞書
新入社員は寡黙な青年だが、プライドは高いようだ。
「朴訥」と「素朴」の違いは?
「朴訥」と「素朴」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「朴訥」にはかざりけがなく、口数が少ないことという意味がありますが、
それに対し「素朴」には、人の性質・言動などが素直で飾り気がないことという意味があります。
どちらも、飾り気がないということを表す言葉ですが、「朴訥」には口数が少ないという意味も含まれています。
「朴訥」は英語で『ruggedly honest』
朴訥は英語の『ruggedly honest』に言い換えることができます。
英語の『ruggedly honest』には
- 朴訥
という意味があります。
「朴訥」の対義語・反対語は『饒舌』
朴訥の対義語は、『饒舌』になります。
饒舌には
- やたらにしゃべること
- おしゃべり
- 多弁
などの意味があり、多弁であることを表す際に用いられます。
彼女は、彼の前だと饒舌になる。
「朴訥」が受け手によってはネガティブに捉えられる言葉であることと同じく、「饒舌」もやたらにしゃべりすぎるてうるさいという意味合いで捉えられることがあります。
褒め言葉として使うのは慎重になったほうがよいでしょう。