「棒に振る」という言葉には、「それまで積み重ねてきたものを無にしてしまう」という意味があります。
何かを失敗した時などによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「棒に振る」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「棒に振る」の意味は『それまで積み重ねてきたものを無にしてしまう』
棒に振るの読み方は「ぼうにふる」です。
語源は、天秤棒を使って食材を売り歩く「棒手振り」という仕事です。
諸説ありますが、商品が全て売り切れてなくなることから「棒に振る」という言葉が生まれたと言われています。
『棒に振る』には
- それまで積み重ねてきたものを無にしてしまう
などの意味があります。
「棒に振る」の正しい使い方を例文で紹介!
「棒に振る」は、それまで積み重ねてきたものを無にしてしまうことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
試験当日に風邪をひいてしまい、これまでの努力を棒に振ってしまった。
例文②
彼はパワハラで人生を棒に振った。
例文③
一度の失言で、契約を棒に振ってしまった。
例文④
これまでコツコツ働いてきたのに、ギャンブルにハマって人生を棒に振った。
例文⑤
彼は女性関係で問題を起こし、キャリアを棒に振った。
【棒に振るを使う時の注意点】
「棒に振る」は、これまで積み上げてきたものが台無しになってしまうことを意味する言葉です。
ネガティブな意味合いの言葉ですので、使用する際には気をつけましょう。
「棒に振る」の類義語・言い換え3選
『棒に振る』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 台無し
- 水の泡
- 挫折
類義語①台無しの意味
ひどく汚れたり傷んだりして、役に立たなくなること。物事がすっかりだめになること。また、そのさま。
引用:goo辞書
彼のせいで、私の計画が台無しだ!
類義語②水の泡の意味
努力・苦心がすべてむだになること。
引用:goo辞書
資料を保存する前に消してしまい、これまでの頑張りが水の泡だ。
類義語③水泡に帰するの意味
努力のかいもなく全くむだに終わる。
引用:goo辞書
直前でプレゼン内容が変更になり、これまで作った資料が水泡に帰する。
「棒に振る」と「水泡に帰する」の違いは?
「棒に振る」と「水泡に帰する」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「棒に振る」にはそれまで積み重ねてきたものを無にしてしまうという意味がありますが、
それに対し「水泡に帰する」には、努力のかいもなく全くむだに終わるという意味があります。
どちらも、これまでの努力がなくなってしまうことを意味するため、類義語として使うことができます。
「水泡に帰する」よりも「棒に振る」の方が一般的に広く知られている言い回しです。
「棒に振る」は英語で『to waste』
棒に振るは英語の『to waste』に言い換えることができます。
英語の『to waste』には
- 無駄にする
- 反故にする
- 無にする
- 粗末にする
- どぶに捨てる
という意味があります。
「棒に振る」の対義語・反対語は『功を奏す』
棒に振るの対義語は、『功を奏す』になります。
功を奏すには
- 施策や作戦が、見事に成功すること
などの意味があり、施策や作戦が、見事に成功することを表す際に用いられます。
直前で暗記したことが功を奏し、試験で実力を発揮することができた。
それまで積み重ねてきたものを無にしてしまうことという意味の「棒に振る」に対して、施策や作戦が、見事に成功することという意味の「功を奏す」は、反対の意味の言葉として使うことができます。