「手前味噌」という言葉には、「自分で自分のことをほめること」という意味があります。
人前での挨拶や、相手に自慢するときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「手前味噌」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
手前味噌の意味は『自分で自分のことをほめること』
手前味噌の読み方は「てまえみそ」です。
昔、日本では各家庭で味噌を手作りしていました。
質のいい自家製の味噌を自慢するときに、自分のことを表わす「手前」を使って「手前の味噌」と表現していたことから、自分で自分のことをほめることを「手前味噌」と言うようになりました。
『手前味噌』には
- 自分で自分のことをほめること
- 自慢
などの意味があります。
「手前味噌」の正しい使い方を例文で紹介!
「手前味噌」は、人前での挨拶や、相手に自慢するときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
手前味噌ですが、美味しいクッキーが焼けたので召し上がってください。
例文②
手前味噌ですが、我が社は業界シェア1位の実績を誇っています。
例文③
手前味噌で恐縮ですが、弊社の研究チームは世界でも最高水準の人材が揃っています。
例文④
手前味噌ながら、娘はピアニストとして、コンクールでも受賞経験があります。
例文⑤
手前味噌だが、全社を挙げて取り組んでいるあのプロジェクトは私が立ち上げた。
【手前味噌を使う時の注意点】
「手前味噌」を身近なものや間に合わせのものといった意味で使うのは誤用となります。
「手前味噌」の類義語・言い換え2選
『手前味噌』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- うぬぼれ
- 自負
類義語①うぬぼれの意味
うぬぼれること。また、その気持ち。おのぼれ。
引用:goo辞書
友人に振る舞った手料理を絶賛されたので、料理上手かもとうぬぼれています。
類義語②自負の意味
自分の才能・知識・業績などに自信と誇りを持つこと。
引用:goo辞書
我が社のマーケティング力は業界一であると自負しています。
「手前味噌」と「自画自賛」の違いは?
「手前味噌」と「自画自賛」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「手前味噌」には自分で自分のことをほめることという意味がありますが、
それに対し「自画自賛」には、自分のした行為を自分で褒めることという意味があります。
「手前味噌」と「自画自賛」は語源が異なりますが、どちらも同じ意味合いを持つ言葉ですので、より文脈に適していると感じる方を使うとよいでしょう。
「手前味噌」は英語で『brag』
手前味噌は英語の『brag』に言い換えることができます。
英語の『brag』には
- (…を)自慢する
という意味があります。
「手前味噌」の対義語・反対語は『自嘲』
手前味噌の対義語は、『自嘲』になります。
自嘲には
- 自分で自分をつまらぬものとして軽蔑すること
などの意味があり、自分を卑下する様子を表すときに用いられます。
彼はいつも自分は営業成績が悪いと自嘲している。
「手前味噌」は自分で自分のことをほめることを意味し、「自嘲」は自分で自分をつまらぬものとして軽蔑することを意味します。