「ぶり返す」という言葉には、「快方に向かった病状が再び悪化する」という意味があります。
風邪がなかなか治らないとき、解決しかけた問題が再発したときなどによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「ぶり返す」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
ぶり返すの意味は『快方に向かった病状が再び悪化する』
ぶり返すの読み方は「ぶりかえす」です。
語源は振り子が向こうへ行きまた振り返されて戻ってくる様子から来ていると言われています。
「振り子」の「振り」がいつからか「ぶり」と発音されるようになり、「ぶり返す」という言葉になったという説があります。
『ぶり返す』には
- 一度治りかけた病気が悪化する
- 良い方向に向かいつつあった事柄や気候が再び悪い状態になる
などの意味があります。
「ぶり返す」の正しい使い方を例文で紹介!
「ぶり返す」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①体調不良の時
体調不良の時に使われます。
【例文①】
無理をするとせっかく治りかけた風邪がぶり返すよ。
【例文②】
投薬後は快調ですが3日もすると痛みがぶり返して困っています。
例文②気候の変動で使う時
気候変動を表す時に使われます。
【例文①】
先週暖かかったからコートをクリーニングに出したのに、今週は寒さがぶり返してきて辛い。
【例文②】
来週一週間は暑さがぶり返すようなので熱中症対策は万全に。
例文③感情を表す時
感情を表す時に使われます。
【例文①】
話し合いで解決できそうだったのに、僕の失言で先方の怒りがぶり返した。
【例文②】
過去の事件のトラウマで恐怖がぶり返してきた。
【ぶり返すを使う時の注意点】
ぶり返すとは、良い方向に向かった事柄が再び悪い方向へ向かうことを言います。
「ぶり返す」の類義語・言い換え5選
『ぶり返す』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 再発
- 再燃
- 悪化
- 蒸し返す
- 繰り返す
類義語①再発の意味
1 おさまっていた病気がもう一度起こること。さいほつ。「―のおそれのある病気」「がんが―する」
2 同じような事態がまた発生すること。さいほつ。「事故の―を防止する」「事件が―するのを恐れる」
3 《「再発売盤」の略》前に発売したレコードやCDなどを、同じ原盤を用いて再び発売すること。
引用:goo辞書
今後このようなことがないよう再発防止に努めてまいります。
類義語②再燃の意味
[名](スル)
1 消えた火が再び燃えだすこと。
2 衰えていた物事が勢いを盛り返すこと。「ブームが再燃する」
3 解決したと思われていた物事が再び問題になること。「後継者争いが再燃する」
4 治まっていた病状や症状が再び悪化すること。
引用:コトバンク
タバコの火は消したつもりでも再燃の恐れがあるので後始末はしっかり行いましょう。
類義語③悪化の意味
[名](スル)しだいに悪くなること。「国情が—する」⇔好転。
引用:weblio辞書
医師が言うには父の病状は悪化しているそうだ。
類義語④蒸し返すの意味
その問題は解決したのに何故今になって話を蒸し返すの?
類義語⑤繰り返すの意味
[動サ五(四)]
1 同じことをもう一度、あるいは何度もする。反復する。「失敗を―・す」「歴史は―・す」
2 本のページなどをめくる。
「戸棚から暦を出して―・して見ると」
引用:コトバンク
歴史は繰り返される。
「ぶり返す」は英語で『relapse』
ぶり返すは英語の『relapse』に言い換えることができます。
英語の『relapse』には
- 元の悪い状態に戻る
- 堕落
という意味があります。
「ぶり返す」の対義語・反対語はありません
ぶり返すの対義語は、ありません。
ぶり返すの対義語はありませんが、病状に限って言えば再発の恐れがある病気が一時的あるいは継続的に軽減した状態を意味する「寛解」が使われます。