「概念」という言葉には、「物事の概括的な意味内容」という意味があります。
ビジネスシーンや、最近ではオタク界隈でもよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「概念」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「概念」の意味は『物事の概括的な意味内容』
【概念の意味】
1 物事の概括的な意味内容。
2 《concept》形式論理学で、事物の本質をとらえる思考の形式。個々に共通な特徴が抽象によって抽出され、それ以外の性質は捨象されて構成される。内包と外延をもち、言語によって表される。
引用:goo辞書
概念の読み方は「がいねん」です。
語源はラテン語「conceptio」、ドイツ語「Begriff」の訳語から来ており、
- 「概」はおおむね・おおよそ・だいたい・あらまし
- 「念」は思い・気持ち
の2つが合わさってできた言葉です。
『概念』には
- 物事の概括的な意味内容
- 物事の本質についての共通の認識
- 認識の枠組み
などの意味があります。
「概念」の正しい使い方を例文で紹介!
「概念」は、物事の本質についての共通の認識を言語化するときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
採れたてのトマトを食べて、トマトの概念が変わった。
例文②
テレワークの普及で、仕事というのは会社に出勤して働くものだという概念は一気に様変わりした。
例文③
脱炭素化技術の発達が、それまでのコンクリート産業の既成概念を壊した。
例文④
推しの概念ピアスを身に着ける。
例文⑤
市長の話は概念的なことばかりで、具体的な施策については何も講じられていなかった。
【概念を使う時の注意点】
概念という言葉は昨今オタク界隈でも使われるようになりました。
その場合は通常の「物事の本質についての共通の認識」という意味ではなく、「属性や要素、設定など」の言い換えで使われます。
「概念」の類義語・言い換え3選
『概念』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 観念
- 理念
- 論旨
類義語①観念の意味
夫婦ともに経済観念がないため、家計はいつも赤字だ。
類義語②理念の意味
校長先生の教育理念にとても感銘を受けた。
類義語③論旨の意味
論文・議論の主旨。議論の筋道。
引用:weblio辞書
彼のスピーチはテーマと関係のない部分が多く、論旨があまり伝わってこない。
「概念」と「観念」の違いは?
「概念」と「観念」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「概念」には物事についての概括的な意味内容という意味がありますが、
それに対し「観念」には、物事についてのこうあるべきだという根本の考えという意味があります。
概念はある物事に対して客観的に存在する多くの人の共通認識であり、観念は個人が持っている主観的な考えである点に違いがあります。
個人の考えである「観念」が凝り固まっていることを「固定観念」と言います。
一方、多くの人の共通認識である「概念」はそもそも固まっているため、「固定概念」とは言いません。
同じように、広く社会に認められている考えを「既成概念」と言いますが、「既成観念」とは言いません。
「概念」は英語で『conception』
概念は英語の『conception』に言い換えることができます。
英語の『conception』には
- 概念・考え・概念作用
- 構想・着想・創案・考案
という意味があります。
「概念」の対義語・反対語は『具象』
概念の対義語は、『具象』になります。
具象には
- はっきりした姿・形を備えていること
- 具体
- わかりやすく、はっきりとしめすこと
などの意味があり、物事をはっきりと示す際に用いられます。
彼女の作品は、鬱屈とした現代の若者の心を見事に具象化している。
概念は物事の本質を捉える思考の形式を指す一方、具象は物事を具体的な形に現すことを指します。
物事の捉え方にはっきりとした形があるかどうかという点に違いがあります。