「熟慮」という言葉には、「よくよく考えること」という意味があります。
日常生活だけでなくビジネスシーンでもよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「熟慮」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「熟慮」の意味は『よくよく考えること』

熟慮の読み方は「じゅくりょ」です。
語源は漢字の「熟」と「慮」から成り立っており、
- 「熟」はよくよく、つらつら、くわしく
- 「慮」はあれこれと思いめぐらす、思い、考え
の2つが合わさってできた言葉です。
『熟慮』には
- よくよく考えること
- いろいろなことを考えに入れて、念入りに検討すること
などの意味があります。
「熟慮」の正しい使い方を例文で紹介!

「熟慮」は、いろいろと考えて念入りに検討することを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

退職は熟慮した末の結論なので、撤回することはありません。
例文②

妻とも相談して熟慮した結果、マイホームの購入を決めました。
例文③

経営には決断力が必要ですが、動く前に熟慮する慎重さも大切です。
例文④

熟慮して決めたことなので、結果がどうなっても後悔しません。
例文⑤

社会人として熟慮が欠けた行動は好ましくない。
【熟慮を使う時の注意点】
よく考えて検討すること、という意味で使われるので、「熟慮の末」や「熟慮の結果」といった表現で用いられることが多いです。
「熟慮」の類義語・言い換え5選

『熟慮』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 思案
- 黙考
- 勘考
- 思量
- 考慮
類義語①思案の意味
- あれこれと考えめぐらすこと。また、その考え。
- 心配。物思い。
引用:Weblio辞書

新しい提案書を作るためにじっくり思案する必要があります。
類義語②黙考の意味
黙って考えること。
引用:Weblio辞書

取引先からの連絡を受けて、部長は黙考している様子でした。
類義語③勘考の意味
よく考えること。思案。
引用:Weblio辞書

クライアントのニーズを勘考して、商品開発を進める。
類義語④思量の意味
いろいろと思いをめぐらし考えること。思いはかること。
引用:Weblio辞書

サプライズの計画について、じっくりと思量するつもりです。
類義語⑤考慮の意味
さまざまな物事に思いを巡らせて考えること、考えのうちに含めることなどを意味する表現。
引用:Weblio辞書

新メニューを提案するときは、コスト面も考慮する必要があります。

「熟慮」と「熟考」の違いは?

「熟慮」と「熟考」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「熟慮」にはいろいろなことを考えに入れて、念入りに検討することという意味がありますが、
それに対し「熟考」には、念を入れてよく考えることという意味があります。
ほとんど同じ意味で使われる言葉ですが、「熟慮」は様々な方面から考えるのに対し、「熟考」は単によく考えるというニュアンスになります。
そのため「熟考を重ねる」という表現はありますが、「熟慮を重ねる」という表現はしません。
「熟慮」は英語で『consideration』

熟慮は英語の『consideration』に言い換えることができます。
英語の『consideration』には
- よく考えること
- 熟慮
という意味があります。
「熟慮」の対義語・反対語は『浅慮』

熟慮の対義語は、『浅慮』になります。
浅慮には
- 考えの浅いこと
- あさはかな考え
などの意味があり、深く考えずあさはかなことを表すときに用いられます。

浅慮な行動はチームに迷惑をかける。
「熟慮」はよくよく考えることという意味で使われ、「浅慮」は考えの浅いことという意味で使われます。
