「掌握」という言葉には、「自分の思いどおりにすること」という意味があります。
ビジネスや政治の話題などでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「掌握」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「掌握」の意味は『自分の思いどおりにすること』

掌握の読み方は「しょうあく」です。
語源は漢字の「掌」と「握」から成り立っており、
- 「掌」はてのひら
- 「握」は自分のものにする
の2つが合わさってできた言葉です。
『掌握』には
- 自分の思いどおりにすること
- 全面的に自分の支配下に置くこと
などの意味があります。
「掌握」の正しい使い方を例文で紹介!

「掌握」は、ビジネスや政治の話題などで使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

彼は人の心を掌握する力があるので、リーダーには適任だ。
例文②

カリスマと呼ばれる人々の人心掌握術は、ビジネスにも活かすことができる。
例文③

社長が全権を掌握しているので、社員は口出しすることができません。
例文④

あの党は20年ぶりに政権を掌握しました。
例文⑤

業界最大手の会社を経営している彼は、ライバル会社の経営権を掌握しようと目論んでいる。
【掌握を使う時の注意点】
自分に使うとおごった表現になる可能性があります。
また、他人に使うときは、狡猾やずる賢いといったイメージを持たれる場合があるので、使い方に注意が必要です。
「掌握」の類義語・言い換え3選

『掌握』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 支配
- 牛耳る
- 手中に収める
類義語①支配の意味
- ある地域や組織に勢力・権力を及ぼして、自分の意のままに動かせる状態に置くこと。
- ある要因が人や物事に影響を及ぼして、その考えや行動を束縛すること。
- 仕事を配分したり、監督・指揮したりして、部下に仕事をさせること。
引用:goo辞書

彼は金融界を支配したことで有名です。
類義語②牛耳るの意味
団体や組織を支配し、思いのままに動かす。牛耳を執る。
引用:goo辞書

あの議員が政党を牛耳っているという噂です。
類義語③手中に収めるの意味
自分のものとする。
引用:goo辞書

彼はついに会社の経営権を手中に収めた。

「掌握」と「把握」の違いは?

「掌握」と「把握」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「掌握」には自分の思いどおりにすることという意味がありますが、
それに対し「把握」には、しっかりとつかむこと・理解することという意味があります。
どちらも、手の中におさめるという意味がある言葉ですが、「掌握」は他人や物事を支配するという意味で使われることが多いのに対し、「把握」は物事を理解するという意味で使われることが多いです。
「掌握」は英語で『control』

掌握は英語の『control』に言い換えることができます。
英語の『control』には
- 支配(すること)
- 取り締まり
という意味があります。
「掌握」の対義語・反対語は『従属』

掌握の対義語は、『従属』になります。
従属には
- 権力や威力のあるものに依存して、それにつき従うこと
- 主要な事柄に対して、それに付随または支配される関係にあること
などの意味があり、権力のあるものに依存して、付き従うことを表すときに用いられます。

経済的に大国に従属している現状を打開する策を考えなければならない。
「掌握」は自分の思いどおりにすることという意味で使われ、「従属」は権力や威力のあるものに依存し、それにつき従うことという意味で使われます。
