『クリティカルマス』はビジネスシーンでよく使われるカタカナ語で、『臨界質量』という意味があります。
初めて『クリティカルマス』と聞いた時は難しいと感じたり、日本語で言ってよ!と思ったこともあるのではないでしょうか。
しかしビジネス用語の意味を知り、使い方を覚えていくことで、コミュニケーション能力や文書の読解力が向上していくでしょう。
この記事では『クリティカルマス』の意味や、シーン別での使い方や例文などを分かりやすく紹介します。
クリティカルマスの意味は3パターン
【クリティカルマスの意味】
1 臨界質量のこと。
2 広告で、ある結果を得るのに必要とされる数量。商品やサービスが広く普及するために、最低限必要とされる供給量。
3 自転車利用の促進をめざす市民運動の一。都市部を集団で走行するもので、1992年に米国サンフランシスコで始まった。
引用:weblio辞書
クリティカルマスの意味①『臨界質量』(物理化学用語)
- 《物理》臨界質量
- 〈比喩〉最小必要量[人数]
exceed the critical mass(臨界量を超える) draw a critical mass of(最小必要量[人数]の~を集める)
引用:英辞郎
『クリティカルマス』には
・臨界質量
・最小必要量
などの意味があります。
お店をオープンするには、10人はクリティカルマスになります。
クリティカルマスの意味②『結果を得るのに必要とされる数量・最低限必要とされる供給量』(マーケティング用語)
クリティカルマスとは、マーケティングに関する用語で、ある商品やサービスの普及率が一気に跳ね上がるための分岐点となっている普及率のことである。市場全体の普及率がクリティカルマスに達すると、それまでの普及率の伸びが一気に跳ね上がると指摘されている。クリティカルマスとされる普及率は、市場の約16%であると言われている。
引用:weblio辞書
『クリティカルマス』には
・結果を得るのに必要とされる数量
・最低限必要とされる供給量
などの意味があります。
クリティカルマスを、確保して売り出す。
クリティカルマスの意味③『自転車利用の促進をめざす市民運動』 (社会運動)
クリティカル・マス(クリテカル マス)は、多数の自転車利用者が週末に一緒に走り、自転車に優しいまちづくりをアピールするねらいがある。1992年にサンフランシスコで始まり、現在は世界各地へと広がっている。
引用:weblio辞書
『クリティカルマス』には
・自転車利用の促進をめざす市民運動
などの意味があります。
クリティカルマスに、来週末参加する予定です。
クリティカルマスの正しい使い方(ビジネスシーンで使う場合)
ビジネスシーンで使う『クリティカルマス』は、『結果を得るのに必要とされる数量・最低限必要とされる供給量』などがあります。
例文①結果を得るのに必要とされる数量・最低限必要とされる供給量という意味で使う時
【Before】
新商品の普及率を上げる為に、必要とされる数量を確保してください。
【After】
新商品の普及率を上げる為に、クリティカルマスを確保してください。
ビジネスシーンで『クリティカルマス』と言われた時は、『商品やサービスの普及率が一気に跳ね上がる分岐点』と受け取ると良いでしょう。
【注意点】
元は物理科学用語の「臨界質量」からきてる言葉ですが、現在はマーケティング用語として使われることが多い言葉です。「イノベーター理論」も一緒に理解して意味を正しく使用して下さい。
クリティカルマスの類義語2選
『クリティカルマス』の類義語は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
①クリティカル・ポイント(critical point)
②クロスロード(crossroads)
類義語①クリティカル・ポイント(critical point)の意味
1 臨界点。臨界温度下で気体が液化する場合の圧力と体積を示す点。
2 (比喩的に)物事が限界に達する段階・時点。
引用:コトバンク
今回の作業では、ここがクリティカル・ポイントになると思います。
類義語②クロスロード(crossroads)の意味
- 〈米〉交差道路
- 《crossroads》交差点、十字路
- 《crossroads》岐路、重大な決定を下すべき時
◆【注意】crossroadsはしばしば単数名詞として扱われ、冠詞のaを伴う。
・We are at a crossroads [crossway]. : 私たちは岐路に立っています。
引用:英辞郎
私はここがクロスロードだと思って、発言しました。
クリティカルマスの関連用語6選
『クリティカルマス』の関連用語は6つあります。
①イノベーター理論
②イノベーター (innovators)
③アーリーアダプター (early adopters)
④アーリーマジョリティ (early majority)
⑤レイトマジョリティ (late majority)
⑥ラガード (laggards)
関連用語①イノベーター理論の意味
イノベーター理論とは、新しいアイデアや技術、およびそれらに基づく製品やサービスなどが世の中に普及する際に、どのような性質の集団から受け入れられていくのかを採用順にカテゴリー分けした理論。
引用:e-words
イノベーター理論をもとに、商品の売り出し方を考える必要があります。
関連用語②イノベーター (innovators)の意味
イノベーターは最初にイノベーションを採用するグループで、全体に対する構成は2.5%。多くに共通する性質として、社会的地位が高く、裕福で社交的であり、年齢は若く、技術的な知識への造詣があり、進取の気性に富み、リスクを取ることを厭わず、イノベーター同士の横の繋がりが強い。地元の繋がりといった狭い人間関係から飛び出し、都会的なライフスタイルを好む。リスクや損失、失敗を恐れず周囲に先駆けて新しいものを試すため、この層が飛びついたものは普及せず失敗に終わるものも多い。
引用:e-words
関連用語③アーリーアダプター (early adopters)の意味
アーリーアダプターはイノベーターに次いで2番目にイノベーションを受け入れるグループで構成比は13.5%。社会的な地位の高さや裕福さなどはイノベーター層に近いものの、大きな違いとして、地元社会や長年の付き合いといったローカルな人間関係や社会を重視する。周囲の人物から尊敬され、お手本として参照されるオピニオンリーダー的な存在であり、新しいアイデアや製品を取り入れて成功した体験を周囲に伝えて広める宣教師のような役割を果たす。
アーリーアダプター自身も新しい良いものをいち早く周囲に広めることが自身の集団内での地位の向上や維持に繋がることを心得ているため、イノベーターのように「自身の興味の赴くままに何でもすぐに試す」ことはせず、効果や価値、普及の見込みなどを吟味する傾向がある。
引用:e-words
アーリーアダプターを取り込むことで、商品の宣伝効果を得る。
関連用語④アーリーマジョリティ (early majority)の意味
アーリーマジョリティは3番目にイノベーションを採用する集団で、構成比は34%。大衆的な人々の中で普及の前半の段階で採用する集団で、イノベーターからアーリーマジョリティまでを累積すると構成比(普及率)が50%となる。この層の人々は近い立場の人々と頻繁に交流するが、先導的な立場に立つことは稀である。自らの意思で進んで新しいアイデアを採用するものの、周囲に対してリードすることは無い。初期の採用者達と平均より遅れて採用する残りの人々の間に挟まる形で存在し、階層間を結びつける役割を果たす。
引用:e-words
関連用語⑤レイトマジョリティ (late majority)の意味
レイトマジョリティは4番目にイノベーションを採用する集団で、構成比は34%。大衆的な人々の中で普及の後半(普及率50%以降)になってから採用する集団である。基本的に新しいアイデアには懐疑的で、他の人々が採用するまで様子見する。社会的な立場や経済面などの余裕の無さから、不確実性が取り除かれ安全であると確信できるまで採用を見送る傾向が強く、経済的な必要性や周囲からの心理的な圧力などに後押しされる形で採用を決断する。
引用:e-words
レイトマジョリティまで普及させるのには、時間がかかりそうです。
関連用語⑥ラガード (laggards)の意味
ラガードは最も最後にイノベーションを受け入れる集団で、構成比は16%。社会の残りの人々がほとんど採用しても頑なに新しいアイデアに背を向ける人々である。地元社会などの狭い付き合いの中で生きるか、ほとんど社会的に孤立している人が多く、周囲にオピニオンリーダー的な存在がいない。経済的にも不安定な立場に追い込まれている人が多い。伝統や過去にこだわり、前の世代や(中高年や老人の場合は)若い頃の発想や習慣を変えたくないという思いが強い。新しいアイデアの存在を認識してからも採用するまでに長い時間がかかり、自身の中での合理的な判断として採用を拒絶している場合がある。
引用:e-words
クリティカルマスの対義語・反対語はありません
クリティカルマスの対義語は、ありませんでした。
主にマーケティング用語として使われる「クリティカルマス」に対義語はありませんでした。
反対の意味で使用する時は「イノベーター理論」を理解したうえで使用するといいでしょう。