「図に乗る」という言葉には、「いい気になって勢いづく・調子に乗る・つけあがる」という意味があります。
日常会話でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「図に乗る」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
図に乗るの意味は『いい気になって勢いづく・調子に乗る・つけあがる』
図に乗るの読み方は「ずにのる」です。
語源は、僧侶の音階や節をつけながら経文を唱える転調のことを「図」と表し、転調がうまくいくことを「図に乗る」と表現したことからできた言葉です。
『図に乗る』には
- いい気になって勢いづく
- 調子に乗る
- つけあがる
などの意味があります。
「図に乗る」の正しい使い方を例文で紹介!
「図に乗る」は、気が大きくなって調子に乗ること・自分の能力を過大に評価し慢心していることを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
少しうまくいったからといって、図に乗って行動してしまいました。
例文②
今は県大会で優勝したからと図に乗っていても、全国大会で強豪校の実力を見せつけられるだろう。
例文③
彼は図に乗るタイプなので、周りにのせられ大会にエントリーしたらしい。
例文④
私が大人しく言うことを聞いていたら、図に乗ってさらに頼み事をしてくるママ友がいる。
例文⑤
息子は図に乗る性格なのであまり褒めない方がいい。
【図に乗るを使う時の注意点】
「図に乗る」はいい気になって勢いづく・調子に乗る・つけあがるという意味で、気が大きくなって調子に乗ること・自分の能力を過大に評価し慢心していることを表すときに使われます。
仏教では「図に乗る」とはポジティブな意味を持つ言葉ですが、例文のように、主にネガティブなニュアンスで使われる言葉です。
「図に乗る」の類義語・言い換え5選
『図に乗る』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 調子に乗る
- 付け上がる
- うぬぼれる
- 思い上がる
- いい気になる
類義語①調子に乗るの意味
- 仕事などに、弾みがついて順調に進む。
- おだてられ、得意になって物事をする。いい気になって軽率な行動をする。
引用:goo辞書
調子の乗ってオーディションに応募してみたら受かりました。
類義語②付け上がるの意味
相手が寛大なのをいいことにして、わがままを言ったり、思いあがったことをしたりする。
引用:goo辞書
同期のB君は、少し褒めると付け上がって上から目線で話してくる。
類義語③うぬぼれるの意味
実際以上に自分がすぐれていると思い込んで得意になる。
引用:weblio辞書
部長は自分の容姿に完全にうぬぼれているので嫌われています。
類義語④思い上がるの意味
- うぬぼれる。いい気になる。
- 気位を高くもつ。自負する。
引用:weblio辞書
彼はフォロワーが増えたから思いあがっている様子です。
類義語⑤いい気になるの意味
気分がよくなる。調子に乗る、増長する。
引用:weblio辞書
友達にお世辞を言われていい気になるなよ。
「図に乗る」と「調子に乗る」の違いは?
「図に乗る」と「調子に乗る」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「図に乗る」にはいい気になって勢いづく・調子に乗る・つけあがるという意味がありますが、
それに対し「調子に乗る」には、弾みがついて順調に進む・得意になって物事をするという意味があります。
「図に乗る」は相手を非難するネガティブな使い方をする言葉ですが、「調子に乗る」はネガティブな表現だけではなく、「事業が調子に乗る」などポジティブな表現でも使うことができる言葉です。
「図に乗る」は英語で『crowd one's luck』
図に乗るは英語の『crowd one's luck』に言い換えることができます。
英語の『crowd one's luck』には
- 図に乗る
- 調子に乗る
という意味があります。
「図に乗る」の対義語・反対語は『節度のある』
図に乗るの対義語は、『節度のある』になります。
節度のあるには
- 振る舞いがほどほど適切で出すぎたところのないさま
などの意味があり、振る舞いがほどほど適切で、出すぎたところのないことを表すときに用いられます。
彼女はお酒で失敗しているので、節度のある飲み方をするようになりました。
「図に乗る」は、気が大きくなって調子に乗ること・自分の能力を過大に評価し慢心していること指しています。
一方で、「節度のある」は振る舞いがほどほど適切で、出すぎたところのないことを指しています。