『蛇足』には『なくても良い余分なもの』という意味があります。
「何となくの意味しか知らない」「使い方が合っているか分からないまま言っていた」という人もいるのではないでしょうか。
言葉の意味や使い方を正しく理解することで、自分の思いや気持ちを簡単に表現することができたり、コミュニケーションの質を高めることができます。
この記事では『蛇足』の意味や使い方を例文などで、分かりやすく紹介していきます。
蛇足の意味は『余計な物・不要な行動』
【蛇足の意味】
「蛇足」とは、「余計な物」や「不要な行動」といった付け加えてしまうことによって本来の価値や良さが損なわれてしまう必要のないものや行為のことのことを意味する表現。
引用:weblio辞書
中国の戦国時代、楚(そ)の国で、祭りがあった際、全員が飲める程の祝いのお酒が用意されていなかった為、蛇の絵を早く描いた者が、お酒を飲める競争が行われました。
最初に描き終えた者が、時間に余裕があったため余計な足まで描いてしまい、負けてしまったという「戦国策」斉策上の故事から由来しています。
『蛇足』には
- 余計な物
- 不要な行動
- 付け加えたことによって本来の価値や良さが損なわれてしまう
などの意味があります。
蛇足の正しい使い方を例文で紹介!
『蛇足』は、余計な情報かもしれないが相手に伝えておきたい時(主にビジネスシーン)や、自分が必要と思って行動したことが、余計だった時を表現する際に使われる言葉です。
使い方としては、相手に対してへりくだった言い方として使われます。
謙遜するニュアンスが含まれている為、角が立たないように「必要ではないかもしれない内容」を伝えたい時、役立つ言い回しです。
例文①(ビジネスシーン)
本日のプレゼンについて、蛇足ですが、一つの意見として聞いていただきたいです。
例文②(ビジネスシーン)
資料内容について一部、蛇足のページがありましたので、修正いたしました。
例文③(ビジネスシーン)
上司に「蛇足な情報が多すぎて、何を伝えたいの分からない」と指摘を受けた。
例文④
彼女の新しい洋服があまりにも似合っていなかったので、蛇足な一言を伝えてしまい、不機嫌にさせてしまった。
例文⑤
先日セールだったので、つい蛇足な物を買ってしまった。
【注意点】
「蛇足」とは、本来「無駄なもの」というネガティブな意味なので、例えば目上の方に対して使いすぎてもあまり印象が良くないという意見もあるようです。特にビジネスシーンでは、臨機応変に使うと良いでしょう。
蛇足の類義語・言い換え5選
『蛇足』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 余計
- 無駄
- 僭越
- 夏炉冬扇
- 無用の長物
類義語①余計の意味
1.物が余っていること。必要な数より多くあること。また、そのさま。余り。余分。「一人分切符が—だ」
2.普通より分量の多いこと。程度が上なこと。また、そのさま。たくさん。「いつもより—に食べる」「人より—な苦労をする」
3.必要な度を超えてむだなこと。また、そのものや、そのさま。「—なことまでしゃべる」「—なお世話だ」
引用:weblio辞書
余計なお世話かもしれませんが、いつでも相談しでください。
類義語②無駄の意味
類義語③僭越の意味
自分の地位や立場を越えて出過ぎたことをすること。また、そのさま。「―な言い方」「―ながら代表してあいさつをさせていただきます」
引用:goo辞書
誠に僭越ながら、友人代表としてお祝いの言葉を述べさせて頂きます。
類義語④夏炉冬扇(かろとうせん)の意味
時期はずれの無駄なもののたとえ。また、無用なもの、役に立たない言論や才能などのたとえ。
引用:goo辞書
類義語⑤無用の長物の意味
全く役に立つことが無く、むしろ無いほうが良いというもの、あるいは邪魔なものなどを意味する表現。
引用:weblio辞書
昔は辞書をよく活用していたが、今はパソコンがある為、無用の長物となってしまった。
蛇足は英語で『superfluous』
蛇足は英語の『superfluous』で、表現することができます。
蛇足の対義語・反対語は『画竜点睛』
蛇足の対義語は、『画竜点睛』になります。
画竜点睛には
- 物事の眼目、中心となる大切なところ(肝心なところ)
- 最後にたいせつな部分を付け加えて、物事を完全に仕上げること
などの意味があり、使い方としては「画竜点睛を欠く」の形で使われることが多く、意味は最後の仕上げが不十分で肝心なところが欠けている為、精彩がないという意味になります。
「蛇足」=不要なものを付け足すという意味
「画竜点睛」=一番大事なもの(肝心なもの)を必要とし、仕上げるという意味
不要なものに対して、必要なものという反対の意味から、対義語として考えられます。