「斜陽」という言葉には、「権勢や威力が次第に衰えていくこと」という意味があります。
企業や権威のある者の衰退を表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「斜陽」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「斜陽」の意味は『権勢や威力が次第に衰えていくこと』
斜陽の読み方は「しゃよう」です。
語源は漢字の「斜」と「陽」から来ており、
- 「斜」は傾いていること
- 「陽」は日・日の光
の2つが合わさってできた言葉です。
『斜陽』には
- 勢威・富貴などが衰亡に向かっていること
- 没落しつつあること
などの意味があります。
「斜陽」の正しい使い方を例文で紹介!
「斜陽」は、企業や権威のある者の衰退を表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
独立したころは順調な業績だったが、今ではすっかり斜陽となってしまった。
例文②
若い頃は仕事もプライベートも充実していたのに、中年を過ぎた今は斜陽を感じている。
例文③
私の会社は斜陽産業と揶揄されていますが、必ず業績を回復させてみせます。
例文④
上流階級だった人々も、バブル崩壊とともに斜陽族となった。
【斜陽を使う時の注意点】
企業や権力者の衰退を表す言葉ですが、風景や自然現象を表すときにも使われるため、文脈によって意味が異なることに注意が必要です。
「斜陽」の類義語・言い換え3選
『斜陽』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 衰退
- 没落
- 落ち目
類義語①衰退の意味
勢いや活力が衰え弱まること。衰微。凋落 (ちょうらく) 。
引用:goo辞書
この温泉街は衰退して、廃旅館ばかりになってしまった。
類義語②没落の意味
- 栄えていたものが衰えること。
- 城や陣地などが敵の手に落ちること。陥落。
引用:goo辞書
この映画は、かつては栄華を極めていた貴族が、困窮して没落していくストーリーを描いている。
類義語③落ち目の意味
- 勢いなどが盛りを過ぎて下り坂になること。
- 商品の量目が、送り状の記載よりも減っていること。
引用:goo辞書
あの俳優は若い頃はとても人気があったのに、今ではすっかり落ち目になってしまった。
「斜陽」と「落日」の違いは?
「斜陽」と「落日」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「斜陽」には権勢や威力が次第に衰えていくことという意味がありますが、
それに対し「落日」には、 物事の勢いが衰えることという意味があります。
どちらも、かつて勢いのあったものが段々と衰退していくさまを表す言葉となっています。
業績の落ちた会社や産業のことを表す「斜陽産業」という表現がありますが、「落日産業」という言葉は使われません。
「斜陽」は英語で『declining』
斜陽は英語の『declining』に言い換えることができます。
英語の『declining』には
- 傾く
- 衰える
という意味があります。
「斜陽」の対義語・反対語は『隆盛』
斜陽の対義語は、『隆盛』になります。
隆盛には
- 勢いが盛んなこと
などの意味があり、勢いがあって栄えていることを表すときに用いられます。
彼の会社は時流に合ったビジネスで隆盛を極めている。
「斜陽」は勢いのあったものが衰えていくことを表す言葉ですが、「隆盛」は最も勢いがあり栄えていることを表します。