『A会社を訪問する前に、電話をしてから行くのがデフォルトだ。』と言われ、すぐに意味がピンとこなかった・・なんて経験はありませんか?
『デフォルト』はビジネスシーンでよく使われるカタカナ語で、『不履行・怠慢』という意味があります。
今さら人には聞けず、曖昧なまま過ごしている人もいるのではないでしょうか。
しかしビジネス用語の意味を知って使い方を覚えていくことで、上司や得意先とのやり取りもスムーズになり、仕事も円滑に進むでしょう。
この記事では『デフォルト』の意味や、シーン別での使い方や例文などを分かりやすく紹介します。
デフォルトの意味は3パターン
カタカナ語のデフォルトは英語の『default』が語源となっており、元々の意味は『不履行』『怠慢』になります。
IT分野・ビジネスシーン・スポーツなど、使う場面によって少しずつ意味が違いますので、詳しく見ていきましょう。
デフォルトの意味①『初期設定』
コンピューターの分野においては、不履行、つまり何もしないことから転じて、パソコンやソフト、アプリケーションを初期設定のまま、特に変更(カスタマイズ)していない状態を指す。標準設定、既定の設定ともいう。
引用:weblio辞書
『デフォルト』には
・ソフトウエアやハードウエアが、工場から出荷されたときの初期状態
・アプリなどをインストールしたあと、初期設定から変更していないこと
などの意味があります。
使っているパソコンが壊れたかもしれない。デフォルトに戻そう。
デフォルトの意味②『不参加・棄権・欠席』
『デフォルト』には
・裁判を欠席する
・スポーツで使う場合は、試合を棄権する
などの意味があります。
このテニス選手、相手のデフォで勝ったのか。
デフォルトの意味③『標準・定番』
俗に、標準であること。初めから決まっていること。「定食のごはんは大盛りが―だ」
引用:デジタル大辞泉
『デフォルト』には
・標準では
・定番の
・いつもの
などの意味があります。
朝が苦手だったのに、今は早起きするのがデフォルト。
デフォルトの正しい使い方(ビジネスシーンで使う場合)
ビジネスシーンで使う『デフォルト』は、『債務不履行』『通常』などがあります。
例文①債務不履行という意味で使う時
【Before】
債務不履行に陥れば、我が社の信用問題です。
【After】
デフォルトに陥れば、我が社の信用問題です。
『デフォルト』には
・債権が約束の期限内に返済されないこと
・(国や企業が)財政破綻すること
などの意味があります。
例文②通常・いつものという意味で使う時
【Before】
週1で行うミーティングの開始ですが、通常は10時です。
【After】
週1で行うミーティングの開始ですが、10時がデフォルトです。
ビジネスシーンで『デフォルト』と言われた時は、金融・経済の場合は『債務不履行』、それ以外では『通常・いつもの』
と受け取ると良いでしょう。
【注意点】
『通常・いつもの』という意味では、今や日常やビジネスシーンどちらでも使われることが多いです。
本来の英語のdefaultの意味である「怠慢」から転じた和製英語である点に注意しましょう。
『デフォ』と略して使われることもあります。
デフォルトの類義語・関連用語4選
『デフォルト』の類義語は4つあります。
類義語に言い換える必要がある場面も出てくると思いますので、意味をしっかりと理解し、使う人やシーンに合わせて言い換えることができるようにしましょう。
①規定値
②未払い
③未納
④滞納
類義語①規定値の意味
規定値とは、ユーザーが何も操作や設定を行っていない場合に使用される、あらかじめ組み込まれた初期設定のことである。
引用:IT用語辞典バイナリ
類義語②未払いの意味
《「みばらい」とも》まだ支払っていないこと。「代金が―だ」⇔既 (き) 払い。
引用:goo辞書
残業代が未払いだったため、会社にすぐに請求した。
類義語③未納の意味
納入すべきものを、まだ納めていないこと。「料金―」⇔既納。
引用:goo辞書
類義語④滞納の意味
納付する義務のある者が、定められた期間内に金銭や物品を納めないこと。「会費を―する」
引用:goo辞書
家賃を滞納してしまい、この家から出て行かないといけなくなってしまった。
デフォルトの対義語・反対語は返済・出席・履行する
「default」の対義語は、「借りたものの返済に失敗する」の反対という意味では「repayment(返済)」「payment(支払)」が挙げられる。「不参加、欠席」の反対という意味では「appearance(出席)」「showing(出展)」などがある。また「期待された義務の不履行」の反対という意味で、「compliance(応じる)」「discharge(履行する)」が挙げられる。
引用:実用日本語表現辞典
デフォルトの対義語・反対語には
・支払う
・出席する
・履行する
などの意味があり、それぞれの文脈の違いから使い分けされます。
デフォルトは、不履行・出席しない・棄権するなど約束を果たさない要素があり、
反対語は、返済する・出席する・応じるなど約束を果たす場面で使われます。