暇を出すの意味はクビ?正しい使い方・例文をわかりやすく解説!対義語は?羅生門での意味は?

人

「暇を出す」という言葉には、「休暇を与える・解雇する・離婚する」という意味があります。

社員のクビ宣告でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、「暇を出す」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。

目次

暇を出すの意味は『休暇を与える・解雇する・離婚する』

人

【暇を出すの意味】

  1. 休暇を与える。暇をやる。
  2. 使用人などをやめさせる。また、妻を離縁する。暇をやる。

引用:goo辞書

暇を出すの読み方は「ひまをだす」です。

明確な由来はありませんが、

「暇」には、休み・主人と従者や夫婦の関係を絶つ・縁を切る

などの意味があります。

『暇を出す』には

  • 休暇を与える
  • 解雇する
  • 離婚する

などの意味があります。

「暇を出す」の正しい使い方を例文で紹介!

人

「暇を出す」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。

間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。

例文①休暇を与える時

ポジティブな意味合いの休んで下さい!ではなく、ネガティブな意味合いの半ば強制的に休んでもらう時に使われます。

【例文①】

B男

誰しもミスはするけれど、Aさんは多すぎます。暇を出すので今後のことをよく考えてください。

【例文②】

B子

明日から来なくていいです。暇を出すので頭を冷やしてください。

例文②解雇する時

会社をクビにされたり、リストラされた時に使われます。

【例文①】

B男

経営難だからA社と合併する噂はあるけれど、一部リストラの噂もある。暇を出すと言われたら大至急転職活動しなければならないのか・・・。

【例文②】

B子

社長からいきなり暇を出すと言われた。一生懸命会社のために働いた私は何だったの?

例文③離婚する時

婚姻関係の終わり、つまり離婚する時に使われます。

【例文①】

B男

おしどり夫婦で有名な存在だったのに、まさか暇を出すことになるとは。

【例文②】

B子

長年連れ添った妻であったが同時に長年不倫もしていた。夫は深く傷つき暇を出す決断をした。

【暇を出すを使う時の注意点】

「暇を出す」には3つの意味があります。

  1. 休暇を与える
  2. 解雇する
  3. 離婚する

「暇を出す」という言葉は、いずれも古典的な表現であり現代ではあまり使いません。

その中でも1番多く使われるシーンは例文①の「休暇を与える」です。バカンスのようなポジティブな休暇ではないので言葉を使う時は気をつけましょう。

「暇を出す」の類義語・言い換え5選

男性

暇を出す』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。

類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。

相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。

  1. 解雇
  2. 首切り
  3. 引導を渡す
  4. お暇(おいとま)
  5. 離婚

類義語①解雇の意味

使用者側から雇用契約を解除すること。首にすること。

引用:goo辞書

A子

キャリアがあっても不景気なら解雇される可能性はある。

類義語②首切りの意味

  1. 首を切ること。特に、罪人の首を切り落とすこと。斬罪 (ざんざい) 。また、それを役目とする人。
  2. 免職・解雇すること。
  3. 昔、戦 (いくさ) で敵の首を切り取るのに用いた短刀。首掻 (か) き刀。

引用:goo辞書

C子

人事部長から首切り役を任命された。

類義語③引導を渡すの意味

  1. 僧が死者に引導2.を授ける。
  2. 相手の命がなくなることをわからせる。あきらめるように最終的な宣告をする場合などにいう。

引用:goo辞書

B男

これだけ教育してもやる気を感じられない人には引導を渡す。

類義語④お暇(おいとま)の意味

  1. 余暇、休暇。仕事から離れること。おひま。「お暇を頂きます」などのように用いる。
  2. 辞去すること。おいとま。「そろそろお暇します」のように用いる。

引用:Weblio辞書

B子

サービス残業をしながら仕事は完璧に終わらせたのでお暇頂きます。

類義語⑤離婚の意味

夫婦が生存中に法律上の婚姻関係を解消すること。日本では、協議離婚・調停離婚・審判離婚・裁判離婚の四種がある。

引用:goo辞書

C男

もう少し冷静に考えて離婚するかしないか答えを出そう。

羅生門での「暇を出す」とは?

男性

「暇を出す」は芥川龍之介の有名な「羅生門」にも登場する言葉です。

作者はさっき、「下人が雨やみを待っていた」と書いた。しかし、下人は雨がやんでも、格別どうしようと云う当てはない。ふだんなら、勿論、主人の家へ帰る可き筈である。所がその主人からは、四五日前に暇を出された前にも書いたように、当時京都の町は一通りならず衰微していた。今この下人が、永年、使われていた主人から、暇を出されたのも、実はこの衰微の小さな余波にほかならない。

出典:『羅生門』芥川龍之介

羅生門での「暇を出された」とは「解雇された」という意味で使われています。

雨が止んでも下人(主人に雇われている身分の低い使用人)には帰る場所がありません。

なぜなら主人から数日前に解雇されてしまったからです。

当時の京都は疫病や天災などで衰退していたため、職が不安定だったことが表現されています。

「暇を出す」は英語で『dismiss』

女性

暇を出すは英語の『dismiss』に言い換えることができます。

dismissの意味

  1. 〔集会などを〕解散させる◆【名】dismissal
  2. 〔雇い主が従業員を〕解雇する、免職する、解任する、追放する
  3. 〔アイデアなどを〕退ける、片付けてしまう、駄目にする、忘れる、振り払う
  4. 〔要求などを〕却下する、棄却する、はねつける
  5. 免責する
  6. 《法律》免訴する

引用:英辞郎

英語の『dismiss』には

  • 解散させる・解雇する・追放する
  • 却下する・棄却する・免責する

などの意味があります。

「暇を出す」の対義語・反対語は『雇う』

人

暇を出すの対義語は、『雇う』になります。

雇うの意味

  1. 賃金を払って人を使う。また、料金を払って乗り物などを使う。
  2. 借りて使う。借用する。

引用:goo辞書

雇うには

  • 賃金を払って人を使う
  • 料金を払って乗り物などを使う
  • 借りて使う

などの意味があり、おもに仕事で人を採用する時に用いられます。

B男

事業拡大のために今年は例年の倍の人数を雇うことにする。

  • 「暇を出す」は、解雇
  • 「雇う」は、採用・人を使う

2つの言葉の意味を比べると対義語の関係ということが分かります。

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