「藪をつついて蛇を出す」という言葉には、「必要もないことをしたために災いを受ける」という意味があります。
日常会話でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「藪をつついて蛇を出す」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
藪をつついて蛇を出すの意味は『必要もないことをしたために災いを受ける』
藪をつついて蛇を出すの読み方は「やぶをつついてへびをだす」です。
語源は、藪(草むら)をつつくことで、わざと蛇を出して、その蛇に噛まれるという無鉄砲な行為が由来となっています。
『藪をつついて蛇を出す』には
- 必要もないことをしたために災いを受けるたとえ
などの意味があります。
「藪をつついて蛇を出す」の正しい使い方を例文で紹介!
「藪をつついて蛇を出す」は、日常会話で使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
A子先輩の資料に気になる点があるけど、指摘したら藪をつついて蛇を出すことになりそうだから、気付かないふりをしよう。
例文②
B男恋人のスマホを見るなんて、藪をつついて蛇を出すようなものだ。
例文③
C子商談相手の趣味に踏み込みすぎると、藪をつついて蛇を出すことになりかねないから、話題にするときは慎重にしたほうがいい。
例文④
B子藪をつついて蛇を出すことになるかもしれませんが、新しい方法を試してみましょう。
例文⑤
C男友人夫婦のケンカの仲裁を頼まれたが、藪をつついて蛇を出すことになってもいやなので、丁重に断った。
【藪をつついて蛇を出すを使う時の注意点】
カジュアルな表現では、略して「藪蛇(やぶへび)」と言うこともあります。
「藪をつついて蛇を出す」の類義語・言い換え4選
『藪をつついて蛇を出す』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 寝た子を起こす
- 雉も鳴かずば撃たれまい
- 触り三百
- 草を打って蛇に驚く
類義語①寝た子を起こすの意味
静かに収まっている物事によけいな手出しをして、問題を起こすことのたとえ。
引用:コトバンク
B子お客様からのクレームが落ち着いたと思ったところで、同僚が寝た子を起こすような発言をしたせいで、振り出しに戻ってしまった。
類義語②雉も鳴かずば撃たれまいの意味
よけいなことを言わなければ、災いを招かないですむことのたとえ。
引用:コトバンク
A子雉も鳴かずば撃たれまいと言うし、次の会議ではなるべく発言を控えよう。
類義語③触り三百の意味
ちょっと触ったばかりで、銭
三百文の損をすること。なまじっか関わり合ったばかりに損害を受けることのたとえ。さわり三百目。
引用:コトバンク
B男先輩の仕事を少し手伝っただけなのに、新しい案件として仕事が増えることになってしまった。触り三百とはこのことだ。
類義語④草を打って蛇に驚くの意味
なにげなくしたことから意外な結果が生じるたとえ。草を打って蛇を驚かす。
引用:コトバンク
B子先生に質問したかったけど、草を打って蛇に驚くことになるのは避けたいから、まずは自分で調べてみよう。

「藪をつついて蛇を出す」と「藪から棒」の違いは?
「藪をつついて蛇を出す」と「藪から棒」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「藪をつついて蛇を出す」には必要もないことをしたために災いを受けるたとえという意味がありますが、
それに対し「藪から棒」には、突然に物事を行うさまという意味があります。
「藪をつついて蛇を出す」は、余計なことをしてトラブルを招くことを表すことわざであるのに対し、「藪から棒」は唐突に言動を行うことを表す言葉です。
どちらも藪という言葉が使われていますが、意味は全く異なります。
「藪をつついて蛇を出す」は英語で『have the opposite effect』
藪をつついて蛇を出すは英語の『have the opposite effect』に言い換えることができます。
英語の『have the opposite effect』には
- やぶ蛇になる
という意味があります。
「藪をつついて蛇を出す」の対義語・反対語は『触らぬ神に祟りなし』
藪をつついて蛇を出すの対義語は、『触らぬ神に祟りなし』になります。
触らぬ神に祟りなしには
- その物事にかかわりさえもたなければ、災いを招くことはない
- めんどうなことによけいな手出しをするな
などの意味があり、トラブルを避けることを表すときに用いられます。
B男触らぬ神に祟りなしと言うし、部長がイライラしているときは話しかけないようにしている。
「藪をつついて蛇を出す」は必要もないことをしたために災いを受けるという意味で使われ、「触らぬ神に祟りなし」はその物事にかかわりさえもたなければ、災いを招くことはないという意味で使われます。


