「搾取」という言葉には、「階級社会において、生産手段の所有者が労働者を過剰に働かせ、その成果を無償で取得すること」という意味があります。
経済や政治の話題などでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「搾取」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「搾取」の意味は『階級社会において、生産手段の所有者が労働者を過剰に働かせ、その成果を無償で取得すること』
【搾取の意味】
- 乳などをしぼりとること。
- 階級社会で、生産手段の所有者が生産手段を持たない直接生産者を必要労働時間以上に働かせ、そこから発生する剰余労働の生産物を無償で取得すること。
引用:goo辞書
搾取の読み方は「さくしゅ」です。
語源は漢字の「搾」と「取」から来ており、
- 「搾」はしぼる、しぼりとる
- 「取」はとりあげる、自分のものにする
の2つが合わさってできた言葉です。
『搾取』には
- 乳などをしぼりとること
- 階級社会で、生産手段の所有者が生産手段を持たない直接生産者を必要労働時間以上に働かせ、そこから発生する剰余労働の生産物を無償で取得すること
などの意味があります。
「搾取」の正しい使い方を例文で紹介!
「搾取」は、経済や政治の話題などで使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
あの工場は、経営者による外国人労働者からの搾取が問題になり、閉鎖しました。
例文②
政府による重課税は、まさしく国民からの搾取だ。
例文③
支配階級が低所得者から搾取する構図は、長い間変わっていない。
例文④
やりがいを理由に過酷な条件で労働させるのは「やりがい搾取」です。
例文⑤
調査の結果、派遣会社が社員の報酬を中間搾取していたことが判明した。
【搾取を使う時の注意点】
「搾取」は権力者と労働者など、上下関係がはっきりとした間柄に用いられる言葉です。
「搾取」の類義語・言い換え3選
『搾取』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 収奪
- 略奪
- 酷使
類義語①収奪の意味
奪い取ること。強制的に取り上げること。
引用:goo辞書
戦時中は軍による土地の収奪などが行われていました。
類義語②略奪の意味
暴力的にうばい取って自分のものにすること。
引用:goo辞書
宝石店で商品を略奪される事件が起こりました。
類義語③酷使の意味
手加減をしないで厳しく使うこと。こき使うこと。
引用:goo辞書
あの会社は、過重労働で社員を酷使しているのが問題になった。
「搾取」と「詐取」の違いは?
「搾取」と「詐取」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「搾取」には階級社会において、生産手段の所有者が労働者を過剰に働かせ、その成果を無償で取得することという意味がありますが、
それに対し「詐取」には、金品をだまして取ることという意味があります。
「搾取」は取得する側とされる側に支配者と労働者などの明確な階級差があるのに対し、「詐取」は階級的な立場の差を含みません。
また、取得する対象が「搾取」の場合は労働時間や成果物、賃金ですが、「詐取」は金品に限られます。
「搾取」は英語で『exploitation』
搾取は英語の『exploitation』に言い換えることができます。
英語の『exploitation』には
- 利己的利用
- 搾取
という意味があります。
「搾取」の対義語・反対語はありません
搾取の対義語は、ありません。