「贔屓(ひいき)」という言葉には、「気に入った人に対して肩入れして援助する」という意味があります。
お気に入りの人や団体、お店などを応援し、引き立てる時などによく使われる言葉ですが、使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「贔屓」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
贔屓(ひいき)の意味は『気に入った人を特に引き立てること』
贔屓の読み方は「ひいき」です。
語源は「贔」と「屓」の漢字にあります。
「贔」は、味方をする・力添えをする、という意味を持ちます。
また、「屓」は力を出すという意味があります。
このことから、『贔屓』は、味方をするために力を出す、ということを表します。
『贔屓』には
- 自分の気に入ったものを気にかけ、力添えをすること
- 気に入った人を引き立てること
などの意味があります。
「贔屓(ひいき)」の正しい使い方を例文で紹介!
「贔屓」は、気に入った人やものに力添えをする時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
贔屓にしている野球チームが優勝して、大変うれしい。
例文②
店主は会計の済んだ私に「今後ともご贔屓に」と言って送り出した。
例文③
彼女は贔屓目を差し引いても、目を引く美貌の持ち主だ。
例文④
判官贔屓(はんがんびいき)は、日本人の気質をよく捉えている。
【贔屓を使う時の注意点】
贔屓は、お気に入りに対して支援や力添えなど、好意的な姿勢を表す事を指し、ビジネスシーンや日常生活で広く使われています。
また、歌舞伎や舞台など芸事の世界では、後援者、ファンの事を現すのに使用される言葉です。
相撲の世界では贔屓筋の事を「タニマチ」と言ったりします。
「贔屓(ひいき)」の類義語・言い換え3選
『贔屓』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 愛顧
- 支持
- 引き立て
類義語①愛顧の意味
[名](スル)目をかけ引き立てること。引き立てられる側からいう語。ひいき。
引用:goo辞書
お得意様向けの手紙に「日頃から格別のご愛顧ありがとうございます。」と書き添える。
類義語②支持の意味
- ささえもつこと。ささえてもちこたえること。
- ある意見・主張などに賛成して、その後押しをすること。
引用:goo辞書
クラス内で意見が割れているが、私はAさんの案を支持したい。
類義語③引き立ての意味
引き立てること。特に、目をかけて用いること。ひいきにすること。愛顧。
引用:goo辞書
鮮やかな色のシャツは、彼女の美しさをより一層引き立てるだろう。
「贔屓(ひいき)」と「えこひいき」の違いは?
「贔屓」と「えこひいき」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「贔屓」には自分の気に入った人などを引き立て、特に力添えするという意味がありますが、
それに対し「えこひいき」には、自分の気に入ったものだけに力添えするという意味があります。
この2つの言葉の最大の違いは、「不公平感の有無」にあります。
「えこひいき」は、気に入ったものを目にかけ引き立てる一方で、そうでないものに対しては冷遇したり、蹴落とす可能性があることを意味するネガティブな要素が含まれています。
「贔屓」には、そのような不公平な意味はなく、ビジネスシーンでも用いられる言葉です。
「贔屓(ひいき)」は英語で『favor』
贔屓は英語の『favor』に言い換えることができます。
英語の『favor』には
- 好意
- 引き立て
という意味があります。
「贔屓(ひいき)」の対義語・反対語はありません
贔屓の対義語は、ありません。
明確な対義語はありませんが、『特に引き立てず、みんな同じように接する』という意味では「公平(こうへい)」を対義語として使用するのがよいでしょう。