「踏襲」という言葉には、「前人のやり方などをそのまま受け継ぐこと」という意味があります。
ビジネスシーンなどでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「踏襲」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「踏襲」の意味は『前人のやり方などをそのまま受け継ぐこと』

踏襲の読み方は「とうしゅう」です。
語源は足跡をそのままなぞって進むことから来ており、
- 「踏」はふむ、あるく
- 「襲」は受けつぐ、引きつぐ
の2つが合わさってできた言葉です。
『踏襲』には
- 前人のやり方などをそのまま受け継ぐこと
などの意味があります。
「踏襲」の正しい使い方を例文で紹介!

「踏襲」は、ビジネスシーンなどで使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

新しい業務にまだ慣れないので、しばらくは前任者のやり方を踏襲します。
例文②

新社長が就任したが、先代の方針を踏襲するようだ。
例文③

前例を踏襲していれば失敗はありませんが、大きな成長は見込めません。
例文④

PTAの仕事は前例踏襲が多いので、思ったよりも大変ではありませんでした。
例文⑤

毎年マニュアルを踏襲していたが、現状にそぐわない部分も増えてきたので、改訂が必要だ。
【踏襲を使う時の注意点】
文脈によってはネガティブな意味合いで使うこともあるので、使い方に注意が必要です。
「踏襲」の類義語・言い換え4選

『踏襲』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 倣う
- 準拠
- 保守
- 追随
類義語①倣うの意味
すでにあるやり方、例をまねて、そのとおりにする。手本としてまねをする。
引用:goo辞書

文化祭の出し物は、前例に倣ってクラス演劇を行うことになった。
類義語②準拠の意味
あるものをよりどころとしてそれに従うこと。また、そのよりどころ。
引用:goo辞書

教科書を準拠して、テストを作っている。
類義語③保守の意味
- 正常な状態を保つこと
- 旧来の風習・伝統・考え方などを重んじて守っていこうとすること。また、その立場。
引用:goo辞書

保守的な社風だと、新しいアイディアを実現しづらいという欠点がある。
類義語④追随の意味
- あとにつき従うこと。あとからついて行くこと。
- 人の業績などをまねて、それに追いつこうとすること。
引用:goo辞書

先輩はいつも営業成績のトップで、他の追随を許しません。

「踏襲」と「継承」の違いは?

「踏襲」と「継承」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「踏襲」には前人のやり方などをそのまま受け継ぐことという意味がありますが、
それに対し「継承」には、前代の人の身分・仕事・財産などを受け継ぐことという意味があります。
どちらも前の人から受け継ぐことを意味する言葉ですが、「踏襲」は方法や考え方を受け継ぐのに対し、「継承」は伝統や伝統芸能といった、身分や財産などを受け継ぐことを意味します。
「踏襲」は英語で『following』

踏襲は英語の『following』に言い換えることができます。
英語の『following』には
- 次に続く
- 次の
という意味があります。
「踏襲」の対義語・反対語は『革新』

踏襲の対義語は、『革新』になります。
革新には
- 旧来の制度・組織・方法・習慣などを改めて新しくすること
- 政治では、現状を改革しようとする立場
などの意味があり、旧来の体制を新しくすることを表すときに用いられます。

上司が定例会議のやり方を革新したことで、業務効率が上がりました。
「踏襲」は前人のやり方などをそのまま受け継ぐことという意味で使われ、「革新」は旧来の制度・組織・方法・習慣などを改めて新しくすることという意味で使われます。
