無碍の意味とは?無碍にするは誤用!?無下との違いや正しい使い方を解説!

人

「無碍(むげ)」という言葉には、「なんの妨げもないこと」という意味があります。

他人や他の物事に囚われない態度や心の様子を表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、「無碍」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。

目次

無碍(むげ)の意味は『邪魔するもののない様子』

女性

【無碍の意味】

妨げのないこと。何ものにもとらわれないこと。また、そのさま。

引用:goo辞書

無碍の読み方は「むげ」です。

語源は、4世紀頃中央アジアでまとめられたと言われている「華厳経」というお経の中にある「融通無碍」から来ていると言われます。

元々は仏教用語です。

『無碍』には

  • 滞らせる障害がないこと
  • なににもとらわれることなく自由であること
  • 気ままで勝手であること

などの意味があります。

無碍(むげ)の正しい使い方を例文で紹介!

女性

無碍」は、妨げる障害がないときや、なににもとらわれず自由である様子を表すときに使われる言葉です。

間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。

例文①

A子

反対意見ですら無碍な心で聞ける彼を、心から尊敬する。

例文②

B男

芸術家に必要な才能の1つに、自由無碍なことが挙げられると思う。

例文③

C子

この問題は規則ばかりにとらわれず、融通無碍に考える必要があるのではないか。

無碍を使う時の注意点】

「無碍」は「無礙」とも書きますが、「碍」は「礙」の異体字なので、「無碍」でも「無礙」でも意味は同じです。

他人の感情や物事など、何も気にすることなく振る舞うことを指します。

このような意味を聞くと自分勝手であったり、自己中心的という言葉が頭をよぎりますが、そういったネガティブなニュアンスではありません。

「のびのびと自由に」と言った意味での使用が適切です。

無碍(むげ)」の類義語・言い換え4選

鳥

無碍』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。

類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。

相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。

  1. 自由
  2. 闊達(かったつ)
  3. 自在
  4. 柔軟

類義語①自由の意味

  1. 自分の意のままに振る舞うことができること。また、そのさま。
  2. 勝手気ままなこと。わがまま。
  3. 《freedom》哲学で、消極的には他から強制・拘束・妨害などを受けないことをいい、積極的には自主的、主体的に自己自身の本性に従うことをいう。つまり、「…からの自由」と「…への自由」をさす。
  4. 法律の範囲内で許容される随意の行為。

引用:goo辞書

B子

私の娘はいつも自由な発想で絵を描いている。

類義語②闊達(かったつ)の意味

度量が広く、小事にこだわらないさま。

引用:goo辞書

A子

問題解決のために、闊達な意見交換が行われた。

類義語③自在の意味

  1. 意のままであること。自分の思うとおりにできること。また、そのさま。
  2. 「自在鉤 (かぎ) 」の略。
  3. 「自在天」の略。

引用:goo辞書

B男

自由自在に形を変えられるスライムは、子どもに人気のおもちゃである。

類義語④柔軟の意味

  1. やわらかく、しなやかなさま。
  2. 一つの立場や考え方にこだわらず、その場に応じた処置・判断のできるさま。

引用:goo辞書

B子

世の中の変化にスピード感を持ってついていくには、常に柔軟な姿勢でいることが大切だ。

ビジョナリーの意味

無碍(むげ)」と「無下」の違いは?

女性

無碍」と「無下」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。

無碍」にはなんの妨げもないことという意味がありますが、

それに対し「無下」には、まったく問題にならない・論外・劣っていることという意味があります。

この2つの言葉は読みが同じでも全く意味が異なります。

「無下」は、「人の善意を無下にする」「部下のAさんを無下に扱う」など、取り扱う必要がない、価値がないものとして扱うといった、否定的で見下している要素を含んでいます。

それに対して、「無碍」は、ポジティブな意味で、妨げがなく自由であるという意味で使用されます。

ただし、日常会話においては「むげに」と言うとおおよそ「無下に」という意味にとられてしまうので、注意が必要です。

レジリエンスの意味

無碍(むげ)」は英語で『freedom

砂

無碍は英語の『freedom』に言い換えることができます。

freedomの意味

自由、(行動の)自由自在、気まま、無遠慮、なれなれしさ、なれなれしいふるまい、解放されていること、(…が)まったくないこと、免除、出入りの自由

引用:weblio英和辞典・和英辞典

英語の『freedom』には

  • 自由
  • 自由自在
  • 気まま

という意味があります。

無碍(むげ)」の対義語・反対語はありません

女性

無碍の対義語は、ありません。

ただし、「何にもとらわれず自由である」という意味を踏まえると、以下の言葉が対義語として使用できるでしょう。

  • 「拘束」思想・行動などの自由を制限する
  • 「束縛」制限を加えて行動の自由を奪う
  • 「制限」物事にある限界を設ける
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