「風来坊」という言葉には、「どこからともなくやって来る人」という意味があります。
日常会話ではあまり使われない言葉なので、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「風来坊」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「風来坊」の意味は『どこからともなくやって来る人』
風来坊の読み方は「ふうらいぼう」です。
明確な語源は不明ですが、旅人のように急にやってくることを表す「風来」と、子供っぽい人を表す「坊」が組み合わされた言葉です。
1905年頃に発表された夏目漱石の「吾輩は猫である」には「風来坊」という言葉が使われています。
『風来坊』には
- どこからともなくやって来る人
- 身元が知れず、一つ所にとどまらない人
- 風来人
- 風来者
などの意味があります。
「風来坊」の正しい使い方を例文で紹介!
「風来坊」は、どこからともなくやって来る人を表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
兄はかなりの風来坊です。
例文②
彼は昔から風来坊で、最近では国内だけに止まらず、外国にも行っているらしい。
例文③
風来坊な20代でしたが、結婚してすっかり落ち着きました。
例文④
思い切ったことができない性分なので、風来坊には憧れるなぁ。
例文⑤
このドラマの主人公は、とんだ風来坊です。
【風来坊を使う時の注意点】
「風来坊」という言葉自体には悪い意味はありませんが、元の意味から転じて、「ふらふらしている人」「遊んでばかりいる人」「定職につかない人」などという意味で使われることもあります。
皮肉や揶揄として使われる場合もありますので注意しましょう。
「風来坊」の類義語・言い換え5選
『風来坊』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 流れ者
- さすらい人
- 放浪者
- 風来人
- 風来者
類義語①流れ者の意味
土地から土地へと流れ歩く者。渡り者。
引用:goo辞書
私の祖父は、昔は流れ者で家には滅多に帰ってこなかったらしい。
類義語②さすらい人の意味
あてもなくさまよう人。
引用:goo辞書
終電を逃してしまい、まるでさすらい人のようだ。
類義語③放浪者の意味
あてもなくさまよう人。
引用:goo辞書
このあたりには放浪者が多くいます。
類義語④風来人の意味
「風来坊 (ふうらいぼう) 」に同じ。
引用:goo辞書
この漫画の主人公は、愛嬌のある風来人です。
類義語⑤風来者の意味
「風来坊 (ふうらいぼう) 」に同じ。
引用:goo辞書
僕もいつかは風来者のような暮らしがしたい。
「風来坊」は英語で『wanderer』
風来坊は英語の『wanderer』に言い換えることができます。
英語の『wanderer』には
- 歩き回る人
- さまよう人
などという意味があります。
「風来坊」の対義語・反対語は『定住者』
風来坊の対義語は、『定住者』になります。
定住者には
- 一定の場所に住居を構え、そこに住みつく人
などの意味があり、一つの場所に住みつく人を表す際に用いられます。
この地区の会長は、古くからの定住者です。
身元が知れず、一つ所にとどまらない人という意味のある「風来坊」に対して、一定の場所に住居を構え、そこに住みつく人という意味の「定住者」は、反対の意味の言葉として使うことができます。