「鷹揚」という言葉には、「小さなことにこだわらず、ゆったりとしているさま」という意味があります。
性格や人柄、態度などを表すときによく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「鷹揚」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「鷹揚」の意味は『小さなことにこだわらず、ゆったりとしているさま』
鷹揚の読み方は「おうよう」です。
語源は中国最古の詩集『詩経』から来ており、鷹 (たか) が悠然と空を飛ぶように、ゆったりと落ち着いてるさまを元とした言葉です。
- 「鷹」はタカ目タカ科の鳥のうち、小形ないし中形のものの総称
- 「揚」は 高く上がる、上げる
の2つが合わさってできた言葉です。
『鷹揚』には
- 小さなことにこだわらずゆったりとしているさま
- おっとりとして上品なさま
などの意味があります。
「鷹揚」の正しい使い方を例文で紹介!
「鷹揚」は、性格や人柄、態度などを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
彼女は鷹揚な性格なので、誰からも好かれています。
例文②
先輩にトラブルを報告したら、鷹揚な態度で対処してくれた。
例文③
上司が鷹揚に構えていてくれるので、何でも相談することができます。
例文④
彼の何ものにも動じない鷹揚な気質は、リーダーに向いていると思います。
例文⑤
取引先に謝罪に伺ったら、鷹揚な態度で許していただけた。
【鷹揚を使う時の注意点】
鷹揚は人物に対して使う言葉なので、物や出来事の様子を表すときには使用しません。
「鷹揚」の類義語・言い換え5選
『鷹揚』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 寛容
- 寛大
- 大様
- おっとり
- 太っ腹
類義語①寛容の意味
心が広くて、よく人の言動を受け入れること。他の罪や欠点などをきびしく責めないこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
面談ではミスを叱責されるだろうと構えていましたが、部長は寛容な態度をとってくれました。
類義語②寛大の意味
度量が大きく、思いやりがあり、むやみに人を責めないこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
これまでの背景なども考慮して、寛大な処置をしてもらえた。
類義語③大様の意味
- 落ち着きがあって、小さなことにこせこせしないさま。
- 大まかなさま。大ざっぱ。
引用:goo辞書
彼の大様な性格は、周りの人の助けになっている。
類義語④おっとりの意味
- 人柄・しぐさなどが、落ち着いていてこせこせとしないさま。おおようなさま。
- 日ざしなどが、暖かく穏やかに感じられるさま。
引用:goo辞書
彼女のおっとりとした性格は母親譲りです。
類義語⑤太っ腹の意味
- 太った腹。ふとばら。
- 度量の大きいこと。大胆で、物事に動じないこと。また、そのさまや、その人。
引用:goo辞書
彼は太っ腹なので、後輩に慕われています。
「鷹揚」と「おおらか」の違いは?
「鷹揚」と「おおらか」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「鷹揚」には小さなことにこだわらずゆったりとしているさまという意味がありますが、
それに対し「おおらか」には、心がゆったりとして、こせこせしないさまという意味があります。
どちらも同じ意味合いで使う言葉ですが、「鷹揚」は上品さというニュアンスを含み、「おおらか」はのびのびと心が広いというようなニュアンスで使われます。
「鷹揚」は英語で『generous』
鷹揚は英語の『generous』に言い換えることができます。
generousの意味
気前のよい、惜しみなく物を与える、(…に)気前がよくて、物惜しみしないで、気前がよくて、寛大な、思いやりのある、(…に)寛大で、寛大で、思いやりがあって
英語の『generous』には
- 気前のよい
- 寛大な
という意味があります。
「鷹揚」の対義語・反対語は『狭量』
鷹揚の対義語は、『狭量』になります。
狭量には
- 人を受け入れる心が狭いこと
- 度量が狭いこと
などの意味があり、人の性格や態度などを表すときに用いられます。
彼は狭量な人間だったので、友人もほとんどいませんでした。
「鷹揚」は小さなことにこだわらずゆったりとしているさまという意味で使われ、「狭量」は人を受け入れる心が狭いことという意味で使われます。