「ほくそ笑む」という言葉には、「物事が思い通りになったことを一人密かに笑う」という意味があります。
自分の思惑通りに事が運び、嬉しさを隠しながら笑う時によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「ほくそ笑む」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
ほくそ笑むの意味は『うまくいったことに満足して、一人ひそかに笑う』
ほくそ笑むの読み方は「ほくそえむ」です。
語源は、「北叟(ほくそう)笑む」が転じたものと言われています。
北叟(ほくそう)とは、古く中国北方の国境近くに住んだ老人「塞翁さいおう」のことです。
彼は嬉しいときにも心配なときにも、かすかに笑ったとされることから、「北叟(ほくそう)笑む」という言葉が生まれ、それが転じて「ほくそ笑む」になったという一説があります。
『ほくそ笑む』には
- うまくいったことに満足して、一人ひそかに笑う
などの意味があります。
「ほくそ笑む」の正しい使い方を例文で紹介!
「ほくそ笑む」は、自分の思惑通りに事が運び、嬉しさを隠しながら笑う時使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
彼は、彼女にしかけたいたずらがうまくいったと、ほくそ笑んでいる。
例文②
悪代官がほくそ笑んで賄賂をもらうシーンは、時代劇の定番である。
例文③
芸術家は、自身の作品の出来栄えに、ほくそ笑んでいた。
例文④
返却されたテストが満点だったので、彼女はほくそ笑んだ。
【ほくそ笑むを使う時の注意点】
「ほくそ笑む」という言葉は、『悪だくみが思うようにいったことを密かに笑う』など、悪い場面で使われることが多い印象ですが、実際の意味はそうではありません。
例文にもあるとおり、嬉しい場面を一人密かに喜ぶ時も使用出来る言葉です。
「ほくそ笑む」の類義語・言い換え4選
『ほくそ笑む』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- にんまり
- にやける
- 悦に入る
- したり顔
類義語①にんまりの意味
満足したときなどに、声を出さないで笑いを浮かべるさま。
引用:goo辞書
子どものやる気スイッチが入って真剣な表情を見た両親は、思わずにんまりした。
類義語②にやけるの意味
- 男が変にめかしこんだり、色っぽいようすをしたりする。
- 俗に、にやにやする。口許がゆるんで笑顔になる。
引用:goo辞書
告白が成功し、憧れの彼と付き合える彼女は、昨日から顔がにやけて仕方がない。
類義語③悦に入る(えつにいる)の意味
事がうまく運び、満足して喜ぶ。
引用:goo辞書
プロジェクトの成功を称賛された彼は、悦に入った表情を見せた。
類義語④したり顔の意味
うまくやったという顔つき。得意そうなさま。得意顔。
引用:goo辞書
彼女への誕生日サプライズが成功した彼は、したり顔をした。
「ほくそ笑む」は英語で『gloat』
ほくそ笑むは英語の『gloat』に言い換えることができます。
英語の『gloat』には
- (…を)さも満足そうに眺める
- 小気味よさそうに眺める
という意味があります。
「ほくそ笑む」の対義語・反対語はありません
ほくそ笑むの対義語は、ありません。
明確な対義語はありませが『心の中で一人密かに喜ぶ』という意味を考えた場合、『素直に笑う』というのが反対の意味となるので、「愉快に笑う」「機嫌よく笑う」を対義語として使うのがよいでしょう。