「ご賢察」という言葉には、「相手の推測を敬っていう語」という意味があります。
ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「ご賢察」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「ご賢察」の意味は『相手の推測を敬っていう語』
【ご賢察の意味】
ご賢察(ごけんさつ)は、「推測」や「推察」の尊敬語にあたる表現であり、相手の推測を敬っていう語である。人の胸中や物事の裏事情といった明示されない事柄を推し量る(察する)、という意味で用いられる。
引用:goo辞書
ご賢察の読み方は「ごけんさつ」です。
語源は、推測や推察を意味する「賢察」に、接頭辞の「ご」がついた言葉です。
「賢察」という言葉自体に相手を敬う意味があるため、尊敬の接頭辞である「ご」をつけることで二重敬語になりますが、一般的に広く使われている表現なので許容範囲として使用されています。
『ご賢察』には
- 「推測」や「推察」の尊敬語にあたる表現
- 相手の推測を敬っていう語
- 人の胸中や物事の裏事情といった明示されない事柄を推し量る
などの意味があります。
「ご賢察」の正しい使い方を例文で紹介!
「ご賢察」は、相手の推測を敬っていう際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
今回の件につきましては、ご賢察のほどよろしくお願いいたします。
例文②
ご賢察の上、ご理解いただければ幸いです。
例文③
面談日程が希望日にならない場合もありますが、ご賢察いただきますようよろしくお願い申し上げます。
例文④
今回の対応はご期待に添えかねますが、ご賢察のほど、何卒よろしくお願いいたします。
例文⑤
弊社の事情をご賢察賜りますようお願い申し上げます。
【ご賢察を使う時の注意点】
「ご賢察ください」とは、簡単に言うと「こちらの状況を察してください」という意味で使われます。
察するのは自分ではなく相手となりますので、強制するような印象を与えないように言い回しには気をつけましょう。
「ご賢察」の類義語・言い換え2選
『ご賢察』の類義語や言い換えの言葉は2つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- ご高察
- ご明察
類義語①ご高察の意味
先日の県につきましては、ご高察いただきありがとうございました。
類義語②ご明察の意味
相手のすぐれた推察をうやまって言う表現。「明察」に丁寧の「ご」の付いた形。単に明察という場合は明瞭・明確に推察することを表す場合もある。
引用:Weblio辞書
ご明察の通り、私がやりました。
「ご賢察」と「ご高察」の違いは?
「ご賢察」と「ご高察」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「ご賢察」には相手の推測を敬っていう語という意味がありますが、
それに対し「ご高察」には、相手を敬ってその人が推察することという意味があります。
どちらも相手の推測を敬う意味で、類義語として使うことができます。
強いて言うならば、「ご賢察」は依頼や謝罪の場面で使われることが多く、「ご高察」は相手を褒める時に使われることが多いですので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「ご賢察」は英語で『conjecture』
ご賢察は英語の『conjecture』に言い換えることができます。
英語の『conjecture』には
- 推量
- 推測
などという意味があります。
「ご賢察」の対義語・反対語は『愚察』
ご賢察の対義語は、『愚察』になります。
愚察には
- 自分の推察や観察を、へりくだっていう語
などの意味があり、自分の推察や観察を、へりくだっていう際に用いられます。
愚察ではありますが、私の意見を述べさせていただきます。
相手の推測を敬っていう語の「ご賢察」に対して、自分の推察や観察を、へりくだっていう語の「愚察」は、反対の意味の言葉として使うことができます。