「玉石混淆」という言葉には、「価値のあるものとないものとが、入りまじっていること」という意味があります。
日常生活でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「玉石混淆」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
玉石混淆の意味は『価値のあるものとないものとが、入りまじっていること』
玉石混淆の読み方は「ぎょくせきこんこう」です。
語源は、中国の書物で『抱朴子(はうぼくし)』外篇に、「昔は書物の良し悪しを見極める人がいたが、今の時代は存在しなくなった」という意味の「真偽顛倒、玉石混淆」という一文から使われるようになりました。
『玉石混淆』には
- 価値のあるものとないものとが、入りまじっていること
などの意味があります。
「玉石混淆」の正しい使い方を例文で紹介!
「玉石混淆」は、良いものと悪いものが混ざったものを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
昔からあるあの古着屋の商品は玉石混交だから、よく見てから買った方がいいですよ。
例文②
SNSなどの情報は玉石混淆だから、鵜呑みにしてはいけないと思います。
例文③
今年のチームは玉石混淆と言われているらしいが、優勝してほしい。
例文④
今回のオーディションは玉石混交なのでしっかり見極めて選考するようです。
例文⑤
あの店の商品は玉石混交なので、安ければいいというものではないですよ。
【玉石混淆を使う時の注意点】
「玉石混淆」は価値のあるものとないものとが、入りまじっていることを意味し、良いものと悪いものが混ざったものを表すときに使われます。
そして、発音が似ていることから「玉石混合」と誤用する場合もあるので注意が必要です。
また、「玉石混淆」は人に対して使用する際、悪いものも含まれることから嫌味に聞こえてしまう可能性もあるのでシチュエーションをよく見極めて使うようにしましょう。
「玉石混淆」の類義語・言い換え4選
『玉石混淆』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 玉石雑糅
- 魚目燕石
- 牛驥同皁
- 玉石同匱
類義語①玉石雑糅の意味
今回の仕入れは玉石雑糅だから、仕分けが必要です。
類義語②魚目燕石の意味
外国の市場で買った宝石を鑑定してもらったら、魚目燕石でがっかりしました。
類義語③牛驥同皁の意味
あの何でもこなせる優秀な彼と時給が同じなんて牛驥同皁ですね。
類義語④玉石同匱の意味
公立は玉石同匱だから、優秀な生徒が集まる私立にした方がいいとアドバイスをもらいました。
「玉石混淆」と「玉石混交」の違いは?
「玉石混淆」と「玉石混交」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「玉石混淆」には価値のあるものとないものとが、入りまじっていることという意味がありますが、
それに対し「玉石混交」にも、価値のあるものとないものとが、入りまじっていることという意味があります。
「玉石混淆」と「玉石混交」はどちらも同じ意味で、「淆」という文字が常用外漢字に当たるため、よりシンプルな「交」が代わりに使われるようになりました。
つまり違いは、常用漢字か否かです。
「玉石混淆」は英語で『good and bad』
玉石混淆は英語の『good and bad』に言い換えることができます。
英語の『good and bad』には
- 玉石
- 善し悪し
- 〈正邪〉・黒白
という意味があります。
「玉石混淆」の対義語・反対語は『表裏一体』
玉石混淆の対義語は、『表裏一体』になります。
表裏一体には
- 相反する二つのものが大もとでは一つであること
- 二つのものの関係が密接で切り離せないこと
などの意味があり、相反する二つのものが大もとでは一つであることを表す時に用いられます。
昔から愛と憎しみは表裏一体とよく言ったものだ。
「玉石混淆」は価値のあるものとないものとが、入りまじっていることという意味で、「表裏一体」は相反する二つのものが大もとでは一つであることという意味です。
つまり、「玉石混淆」は混ざり合う意味ですが、「表裏一体」は混ざってはいないが元は同じという意味で対義語と言えます。